学校日記

卒業式

公開日
2008/03/19
更新日
2008/03/19

校長メッセージ

 平成20年3月19日 卒業証書授与式を挙行しました。
 本年度は48名の児童が巣立ちました。無事にこの日を迎えることができましたのも、保護者の皆様や地域の皆様からのご支援・ご協力の賜物だと厚く感謝申し上げます。

 ※式の様子の写真については、後日改めてホームページに掲載する予定です。

 校長式辞を紹介させていただきます。

うららかな春の息吹が校庭のあちこちに感じられるこのよき日に平成十九年度の卒業証書授与式を迎えることができました。本日は、ご多用の中、ご来賓の皆様には、早朝よりご臨席賜りまして誠にありがとうございます。高いところからではありますが、厚くお礼申し上げます。
 さて、卒業証書を授与された四十八名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。今、あなた方一人一人に「小学校の課程を卒業した証し」卒業証書を手渡しました。その一枚の紙の中には実に様々なものが宿されています。六年間の長い年月、元気に登校し、基礎・基本の学習を身につけた皆さんの努力。それを絶えず見守り、世話をしてくださったご両親の愛情。そして皆さんの成長のために、ある時は厳しく、ある時は優しく指導くださった先生方、安全に登校できるようにと見守ってくれた地域の皆様方、そして楽しい学校生活ができるようにと気遣ってくれた教育委員会のご配慮など。多くの人達の陰のご苦労の積み重ねによってはじめて手にすることができた卒業証書なのです。感謝の気持ちを忘れないでください。
 皆さんは、小学校六年間の学業を終え、今卒業しますが、思い返せばこの一年間、最高学年として、在校生の手本となり、リーダーとして活躍してくれました。また、学校の顔として対外行事にも出場し、活躍してくれました。その活動ぶりは、在校生がしっかりと受け継いでいくことでしょう。
 さて、卒業するみなさんに、私の大好きな詩を贈ります。この詩は以前、三年生の国語の教科書に載っていたこともありました。後方に飾ってある卒業記念作品の言葉にこの詩の一節を選んだ人もいるようです。

「私と小鳥と鈴と」  金子みすゞ

 私が両手をひろげても、
 お空はちっとも飛べないが、
 飛べる小鳥は私のや(よ)うに、
 地面(じべた)を速くは走れない


 私がからだをゆすっても、
 きれいな音は出ないけど、
 あの鳴る鈴は私のや(よ)うに、
 たくさんな唄は知らないよ
 鈴と、小鳥と、それから私、
 みんなちがって、みんないい

 人は、自分一人だけで生きていくことはできません。周りの人たちと助け合い、協力し合い、お互いの足りないところを補い合って、共に社会の中で生活していきます。好きなもの・嫌いなもの、得意なこと・苦手なこと、ものの感じ方・考え方など、人それぞれ違います。それぞれ違うけれど、そんなお互いを認め合い、尊重し合うことが大切なのです。
 相手のすばらしいところを発見できる、そんな自分という存在自体、またすばらしいことです。相手を認めることで、自分も認められます。
 逆に、どうしても好きになれない人がいたとしても、それは仕方のないことですが、好き嫌いの問題と良い悪い—善悪—の問題は一緒にしてはいけません。嫌いといっても、実はその人のすべてが嫌いということではなく、たぶん自分に向けられたその人の言葉や態度、仕草など、おそらく自分にとって不快な部分が嫌いなだけなのです。その人自体を否定してはいけません。もしかしたら、たまたまその人のすばらしい部分に気づいていないだけかもしれません。
 ここにいるみなさんはそれぞれ、違う親から生まれ、違う家庭環境に育ってきました。そして、それぞれが、これまでにたくさんの人と出会い、たくさんのことを学び、成長してきました。まったく同じ経験を重ねて生きてきたわけではありませんから、みんなそれぞれすばらしい個性をもった人たちだと思います。「みんなちがって、みんないい」この言葉を、そのまま素直に考えて、自分なりの生きがいや幸せを見つけて、健康で楽しい人生を送ってください。
 それから、私が集会などで一年間、みなさんにお話してきた「大切にしてほしい三つのこと、いのち・こころ・みらい」を覚えていますか。
*「いのち」を大切にして、健康で生き生き生活しよう。
*仲間や弱い立場の人に対して、優しさや思いやりの「こころ」をもって、お互いに尊重し合って生きよう。
*自分の輝く「みらい」に向かって、しっかり学習して力をつけ、集団生活の中で社会性を身につけ、自分がなりたい大人になろう。
中学生になっても忘れないでください。
 さて、在校生の皆さん。皆さんは、先輩が築いてくださった輝かしい伝統と校風をしっかりと受け継ぎ、さらに発展させるよう、命と心を大切にしながら、かがやく未来に向かって前向きに努力してください。
最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。たくましく成長されたお子様の晴れ姿をご覧になり、お喜びひとしおのことと拝察申し上げます。今日まで学校にお寄せいただきました温かいご支援・ご協力に対しまして、心から感謝と御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 以上、卒業生の皆さんの限りない前途を祝し、式辞といたします。

             平成二十年三月十九日 
             春日井市立西藤山台小学校長 伊藤 孝之