学校日記

<校長室の窓> 16歳のトゥンベリさんから学ぶ

公開日
2019/09/26
更新日
2019/09/27

校長室の窓(〜2020年度)

南中生の皆さんへ

9月23日、ニューヨークの国連本部で、
60以上の国の首脳らが気候変動対策の具体策を表明する
「気候行動サミット」が、グテレス国連事務総長の主宰で開かれました。

日本からは、今話題の小泉環境相が出席しました。
この「気候行動サミット」で、
スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)が、
若者を代表して演説し、
「未来の世代はあなたを見ている。
 私たちを裏切る道を選べば許さない。」
と世界に訴えました。

地球温暖化対策を訴える抗議活動の火付け役であるトゥンベリさんは、
学校を休んで、このサミットに参加し、
「すべて間違っている。」
「私はここにいるべきじゃない。学校にいるべきなのに。」
と強調しました。

そして、
「私たちは絶滅の始まりにあるというのに、
 あなたが話すのはお金や永続的な経済成長のことばかり」と、
政治家や経済界に怒りをぶつけました。

さらに、
「この状況を理解していて行動を怠り続けるなら、
 あなたは悪だ」と主張し、
「あなたが望んでも嫌がっても、
 ここから、世界は目を覚まし、変化は訪れる」と宣言しました。

16歳の女の子のものすごい「発信力」に、私は大変驚きました。
このニュースに関連して、南中生の皆さんに伝えたいことがあります。

「自分が正しい思ったこと」は、
たとえ、相手が大人であっても、言っていいのです。
皆さんには、自分の考えを言う「権利」があるのです。

とはいえ、「正しいと思ったこと」を言うには、勇気がいりますね。
でも、それが、
例えば、「自分自身や家族や友達を救うこと」だったり、
例えば、「この学校をよりよくすること」などであるならば、
自信を持って、口に出すべきだ!と思います。


もちろん、それが、独善的(ひとりよがり)な考えであったり、
わがままであってはいけません。

また、人を傷つけるような言い方をしてはいけません。
目上の人に話す時は、
礼儀正しく「丁寧語」で話すことが、人としての「マナー」です。

そして、一番大事なことは、自分の発言に対して、
自分で責任をとるということです。

グレタ・トゥンベリさんを批判する人もいます。
しかし、彼女は、そういう誹謗中傷に耐えるだけの信念があり、
自分の発言に対して、自分で責任をとっています。
そこがすごいのです。
ですから、彼女の発言は、世界中の若者達の心を揺り動かし、
彼女の活動は、世界中に広がりを見せています。


「言い放し」も、よくありません。
必ず、相手の考えや意見にも、じっくりと耳を傾けましょう。

私が、京都の禅寺のご住職様からいただいた言葉に、
次の言葉があります。

善いことでも
まわりをよくみてやりなさい
本当のことでも
相手のことを考えて言いなさい

こういう心配りをしながら、「自分が正しいと思うこと」を言う。
そして、自分の発言に責任をとる。
そういう人のところには、たくさん人が集まってきて、
必ず応援をしてくれます。

また、責任をとることの一つに「行動」があります。
「言っていることと、やっていることが違うでしょ!」と、
周りの人から思われたら、信頼はされません。
言葉と行動が一致する人になってほしいと願っています。

グレタ・トゥンベリさんの講演の全文は、ココをクリックしてください。
演説の様子は、ココをクリックしてください。
(写真出典 Yahoo!画像)