学校日記

<校長室の窓> 二度とない人生だから

公開日
2019/06/20
更新日
2019/06/20

校長室の窓(〜2020年度)

南中生の皆さんへ

『念ずれば花ひらく』という詩で知られる坂村真民先生は、
戦後、愛媛で教員生活を送りながら、言葉をつむぎました。
昨日の読売新聞の朝刊に、彼の詩の一節が載っていました。
若い頃、何度も彼の詩を読んでいたので、とても懐かしく思いました。
「東日本大震災」の被災地で支持された言葉です。

鳥は飛ばねばならぬ
人は生きねばならぬ
怒涛(どとう)の海を
飛びゆく鳥のように
混沌(こんとん)の世を
生きねばならぬ

なんと力強い言葉でしょう。
人生の目的は、生きること。
たった一度の自分の人生を、しっかりと生き抜くこと。

迷いもするし、立ち止りもするけれど、
それも、自分の人生を輝かせるためのもの。
だからまた、歩きはじめる。

彼の詩の中で、私が最も気に入っている詩は、次の詩です。
読んでみてください。

二度とない人生だから

二度とない人生だから
一輪の花にも
無限の愛をそそいでゆこう
一羽の鳥の声にも
無心の耳をかたむけてゆこう

二度とない人生だから
一匹のこおろぎでも
ふみころさないようこ
こころしてゆこう
どんなにかよろこぶことだろう

二度とない人生だから
一ぺんでも多く便りをしよう
返事は必ず書くことにしよう

二度とない人生だから
まず一番身近な者たちに
できるだけのことをしよう
貧しいけれど
こころ豊かに接してゆこう

二度とない人生だから
つゆくさのつゆにも
めぐりあいのふしぎを思い
足をとどめてみつめてゆこう

二度とない人生だから
のぼる日 しずむ日
まるい月 かけてゆく月
四季それぞれの星星の光にふれて
わがこころをあらいきよめてゆこう

二度とない人生だから
戦争のない世の実現に努力し
そういう詩を一篇でも多く作ってゆこう
わたしが死んだら
あとをついでくれる若い人たちのために
この大願を書きつづけてゆこう


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