学校日記

<校長室の窓> 世界にはばたけ!南中生!

公開日
2021/03/03
更新日
2021/03/05

校長室の窓(〜2020年度)

3月3日(水)、「卒業証書授与式」を挙行致しました。
3年生の保護者の皆様には、たいへんご多用のところをご参列いただき、
誠にありがとうございました。心から感謝申し上げます。

本日、卒業生の皆さんに贈ったメッセージ「校長式辞」を、
あらためて掲載させていただきます。

式辞

日一日と温かさが増し、校庭の梅の花も咲き誇り、
「春の訪れ」が感じられる希望に満ちた季節となりました。
このよき日に、保護者の皆様のご臨席を賜り、
ここに第38回「卒業証書授与式」を、厳かに挙行できますことを、
心より感謝申し上げます。

卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。

ふり返ってみれば、私と卒業生の皆さんとの「出逢い」は、
皆さんの「入学式」でした。
私はその入学式の式辞で、
「退職まであと三年。皆さんとともに楽しい三年間を過ごし、
 一緒にこの学校を卒業したいと思っています」
と挨拶をしたことを覚えています。

光陰矢の如し。今、私の目の前に座っているのは、
逞しくそして美しく成長した「卒業生」の皆さんです。
「感無量」とは、まさにこのことを言うのでしょう。

皆さんは、この3年間、何事にも果敢にチャレンジをしてきました。
その中でも、特に私が印象に残っているのは、
2年生野外学習のトーチトワリングです。
その是非がマスコミで大きく報道される中、皆さんは見事に成功させ、
愛知県中の話題となりました。
結果的に、あの演舞が、南城中の歴史の中で、最後の演舞となりました。

3年間を振り返ってみますと、
皆さんの日々の生活態度は実に立派でした。
とりわけ、1年生から始めた「朝読書」は、
3年間毎日欠かさず真剣に取り組んできましたね。

また、毎日の清掃にも意欲的に取り組みました。
皆さんのおかげで、来校されるお客様から、
「この学校はいつ来ても本当に綺麗ですね!」と、
ほめていただきました。

私が常に強調してきた「凡事徹底」を、
皆さんは見事に実践してくれたのです。

しかし、そんな皆さんの素晴らしい学校生活を、
根底から覆すようなことが起きました。
「新型コロナウイルス感染症」の拡大です。
学校は全国的に「休校」となり、
今まで誰も経験したことのない戦後最大の「教育の危機」が、
私達を襲いました。

それまで、楽しく皆さんと会話をしてきたことは、
「当たり前」のことではなく、
実は「とても幸せなことだった」のだと、
身にしみて感じた日々でした。

皆さんに会えなくても、
「せめて心はつながっていたい!」「熱い思いを伝えたい!」
私達教師は、ホームページで皆さんにメッセージを送りました。

そして、3年生の職員は、
「休校中でも学力をしっかりつけさせてあげたい!」と、
毎日、本当に一生懸命、自宅学習用の「動画」を作成したり、
学習プリントをつくったりして、ホームページにアップしました。
皆さんは、私たちの期待に応え、
孤独に耐えながら、「自宅学習」にしっかり取り組んでくれました。

そのおかげで、学校が再開されてからは、スムーズに授業が進み、
2学期の中ごろには、約3か月のブランクを解消することができました。

もう一つ、忘れられないのは、
「夏の大会」「夏のコンクール・発表会」の中止です。
そのことを部活のミーティングで知らされた皆さんは、
悲しみのあまり、声を出して「涙」を流して泣きました。
私も胸が痛みました。
でも、皆さんのその涙は、
それだけ皆さんが本当に真剣に部活動に打ち込んできた「証」なのだ!
と私は思いました。

皆さんの多くは、
「先輩から教えてもらったことを、
 きちんと後輩たちに伝えてから引退したい!」
という思いを胸に、最後まで部活動を続けてくれました。
私は、「なんて素敵な生徒たちなのだろう!」と、その姿に感動し、
その姿をしっかりと目に焼き付けたい!と思いました。

修学旅行は、感染対策に最大限の注意を払いながらの旅行となりました。
皆さんは、多くの制限や制約がある中で、
1泊2日の修学旅行を見事に成功させました。
私は、あの修学旅行は、「赤学年の皆さんだったから成功できた」と、
今でも感謝をしています。

修学旅行が終わると、誰もが受験を意識し始めました。
皆さんは、日々の授業をとても大切にしてくれました。
どの教室に行っても、
皆さんは「真剣なまなざし」で授業を受けていました。
ですから、学年全体の学力が「グン」と上がりました。

また、皆さんはどんな行事をやっても、男女の仲がとても良く、
笑顔があふれていました。
学年全体がいつも一つにまとまっていましたね。
また、「ここぞ!」という時の皆さんの「団結力」は、
実に素晴らしいものがありました。

そして、コロナという逆境にあっても、全くへこたれず、
皆で工夫をして学校生活を「豊かなもの」にしてきました。
ピンチをチャンスに変えてきた皆さんのひたむきな努力の姿は、
皆が称賛しています。

「コロナ禍の中、あの時の3年生、あの時の赤学年の生徒達は、
 本当に立派だったね!」
と、これからもずっと、未来永劫、語り継がれていくことでしょう。

そんな、素敵な皆さんに贈る私の最後の言葉、
それは、私が「座右の銘」にしている言葉です。
昨日、私が大好きな相田みつをさんのポストカードを、
皆さん一人一人に、卒業のお祝いとしてプレゼントしました。
そのポストカードの言葉です。

「しあわせは いつもじぶんの心がきめる」

生きている  健康である
手が動く   足で歩ける
目が見える  耳が聞こえる
このあたりまえのことの中に 
ただごとでない 
幸せがあるのです。

自分を幸福だと思う人が、幸福な人なのです。
「幸せは いつも自分の心がきめる」のです。

そして、
今日という日はいつだって、残る人生の初日です!
卒業は、「終わり」ではなく、「始まり」です!

皆さんがこれから生きていく社会は、「グローバル社会」です。
この社会を生き抜くためには、「高い志」が必要です。
皆さんの中には、アメリカ・ヨーロッパなど、
世界を股にかけて活躍する人が沢山いることと思います。
「高い志」を持って、世界に羽ばたいて行ってくださいね。

でも、どんなに立派になっても、
どんなに偉い人になっても、
どんなに遠くにいても、
皆さんのふるさとを忘れないでくださいね。

そして、お父さん・お母さんを、
いつまでもいつまでも大切にしてください。
それが、人として「一番大切なこと」です。

私は、3月31日をもって退職しますが、
皆さんが、私の教師生活の「最後の卒業生」でいてくれて、
「本当によかった」と感謝しています。
そして、皆さんを「誇り」に思っております。
私は、「日本一幸せ」な校長です!
本当にありがとう!

さて、改めまして、卒業生の保護者の皆様。
お子様のご卒業を、心よりお祝い申し上げます。
思春期の子どもたちの生活は、
ハラハラ・ドキドキの連続であったろうと拝察致します。
また、言われぬご苦労もあったことでしょう。
3年前にお預かりしました時から本日まで、教職員一同、
真摯に教育活動に取り組んで参りましたが、
この間、終始温かいご理解とご協力を賜りましたことに、
深く感謝を申し上げます。ありがとうございました。

以上をもちまして、301名の希望に満ちた皆さんの前途に、
「幸多かれ!」と祈り、式辞といたします。

令和3年3月3日 春日井市立南城中学校長 堤 泰喜


©相田みつを美術館
相田みつを氏の作品の本校HPへの掲載は、
相田みつを美術館から許可をいただいています。