学校日記

<校長室の窓> 「生きる」とは「諦めないこと」

公開日
2021/02/15
更新日
2021/02/16

校長室の窓(〜2020年度)

南中生の皆さんへ

「語り女優」「車いす女優」といわれる萩生田千鶴子(はぎうだちづこ)
さんのエッセイを、つい先日読みました。とても印象に残りました。

萩生田さんは、若い頃、自動車事故で四肢の自由を奪われ、
厳しいリハビリで手をわずかに使える程度にはなりましたが、
肢体は完全麻痺(まひ)の「車いす生活」となりました。
女優としての道を閉ざされ、絶望のなか、
彼女を支えてきたのは「恩師の言葉」だそうです。
その言葉を紹介しますね。

「無二(むに)の親友」と呼べるのは、
生涯を通じて1人できるかできないかだ。
だから、その「もう1人の自分」が苦しんでいる時は、
そいつの手をギュッと握り、黙ってそばにいてやれ。
喜んでいる時は、心から一緒に喜んでやれ。

人を嫉妬(しっと)するのは自分に自信がない証拠だ。
意地悪(いじわる)やいじめをするのは自分の弱さだ。
誰かを悪者にして自分を正当化するような弱い人間にはなるな。

夢は捨てるな、希望を持て。
失ったものを考えるな。
残されたものを活かせ。
おまえさんには声が残っておるやないか。
「語り」をやれ。


萩生田さんは、エッセイの中でこうも言っています。

チャンスというのはきっと、
いつも目の前に、手の届くところにあるのだと思います。
あとはそれを、どう自分が掴(つか)んでいくか。
掴んだチャンスの積み重ねが夢の実現につながります。

私にとって「生きる」ことは「諦めないこと」です。
私は肩から下の体の感覚を失い、おしっこもうんちも分かりません。
それを正面から受けとめながら、私はこれからも生きていきます。


「生きる」とは「諦めないこと」
この言葉は、ぐっと心に沁みました。

萩生田さんは、この3月に「放送大学」の講師も務められるそうです。
すごい方ですね!