<校長室の窓> 詩の力
- 公開日
- 2021/02/02
- 更新日
- 2021/02/03
校長室の窓(〜2020年度)
南中生の皆さんへ
「第40回春日井市短詩型文学祭」の入賞者について、
昨日、このHPで紹介しました。
実は、「JR春日井駅」にも、
短詩型文学祭の「市長賞」受賞作品が展示されており、
本日、次のような「ご連絡」を、
「かすがい市民文化財団」の方からいただきました。
今日の午前中、偶然通りかかって、
学生部の「詩」部門の作品(南城中1年生の「映画」という作品)
を観た年配の女性の方から、
「中学1年生の方の詩が素晴らしく深い感銘を受けました。
何にも楽しいことがない毎日だったけれど、
また頑張れそうな気がしてきました。
若い方の鋭い感性に感動し、思わず電話しました。」と、
「かすがい市民文化財団」に喜びの電話がありました。
喜んでいただけて、私たちもとても嬉しく思いました。
本校1年生の生徒の詩が、一人の春日井市民に元気を与えたのです。
まさに「詩の力」ですね!
私は、この生徒を誇りに思います。
その詩を紹介しますね!
映画 高尾 凌真
映写機が
スクリーンに
映画を写し出すように
ぼくたちも
目というスクリーンに
「世の中」という名の映画を
写している。
映画は
時間が決まっている。
でも、ぼくたちのみている映画は
ぼくたちのスクリーンが壊れないかぎり
ずっと止まらない。
ぼくたちの見ている映画は
今すぐにみられるが
ぼくたちが主人公の
「人生」という名の映画は
ぼくたちのスクリーンでは
みられないだろう。
「世の中」という名の映画は
ストーリーが決まっていない。
だから、
そのストーリーを一つでも多く知るために
一日でも長く
「映画」をみていよう。
中学1年生の作品とは思えない、本当に素晴らしい詩ですね!
南中生の皆さんには、この詩のように、
これから「いろいろな世界」を見ていってほしいと思います。
同じ世界を見るときでも、
「視点」や「角度」を変えると、見える世界が違ってきます。
「責任の場」に立つと、見える世界が違ってきます。
「心耳(しんじ)」を澄ますと、見えなかった世界が見えてきます。
「高い壁」を乗り越えると、広い世界が見えてきます。
「悲しみ」を通さないと、見せていただけない世界があります。
「いろいろな世界」を見て、「自分自身」を高めていってくださいね!
もう一つ、「いろいろな世界」を見るときに、
東井義雄先生の次の言葉を心に刻んでおいてください。
意味というのは こちらが読み取るものだ
ねうちというのは こちらが発見するものだ
すばらしいものの中にいても
意味が読みとれず ねうちが発見できないなら
瓦礫(がれき)の中にいるようなものだ
(写真はJR春日井駅に展示されている受賞作品です)