<校長室の窓> 助けてって言っていい
- 公開日
- 2020/11/10
- 更新日
- 2020/11/10
校長室の窓(〜2020年度)
南中生の皆さんへ
こんな話を聞いたことがあります。
何か「困ったこと」があった時、
英語では「Help me!」と言います。
「私」を助けてほしいというのです。
中国語では「救救我(ジウジウウオ)と言います。
「我」という漢字が見られるように、
やはり「私」を助けてほしいというのです。
韓国語では「サラムサルルヨ」と言います。
「人を助けてほしい」という意味で、
必ず「サラム(人)」を付けます。
日本では「助けて」。
「誰を」の部分は言いません。
ある社会学者は、「集団主義」が強い国だから、
「私」という概念が薄いのではないかと分析しています。
こんな話も聞きました。
東京で「福祉社会を目指す」というテーマの国際シンポジウムがあり、
その中のバリアフリー部会での会話です。
そこに参加していた日本の研究者が、
「東京ほどバリアフリーが整備されていない都市も少ない」と、
自国を厳しく批判しました。
すると、外国の女性研究者が、
「東京ほどバリアフリーの設備が整っている都市はそうありません。
問題はあなた方日本人の心のバリアフリーではないか」
と発言したのです。
確かに、なぜ日本人は困っている時に、
「助けてください」と言わないのでしょうか。
他方、困っている人を見て、
なぜ「Do you need some help?(何かお手伝いしましょうか?)」
という一言が言えないのでしょうか。
誰かに「助けて」と言われると、ほとんどの日本人は助けに入ります。
しかし、自分から「助けて」とは言えない雰囲気が
日本の社会にあることが、大きな話題となったのです。
ここからが私の考えです。
南中生の皆さんに伝えたいことです。
私達は、もっと勇気を出して、
自分の「本音」を見せるべきだと思います。
友達を「助けたい!」と思ったら、
「何か困っている?」と声を掛けるのです。
地域の人を「助けたい!」と思ったら、
「何かお困りですか?」と声をかけるのです。
そして、ここからが一番大事です。
あなた自身も、困っている時は、声を上げてください。
「私を助けてほしい」と。
「私を助けて!」って言っていいのです。
何も遠慮は要(い)りません。
「皆で助け合える学校」「皆で助け合える地域」
南城中学校や南城校区がそうなっていくことを願っています。