<校長室の窓> 根を張る
- 公開日
- 2020/11/04
- 更新日
- 2020/11/04
校長室の窓(〜2020年度)
南中生の皆さんへ
月曜日に引き続き、今日も、
私が大好きな相田みつを氏の詩を紹介しますね!
或(あ)る日のつぶやき 〜切り捨てる〜 みつを
わたしは長い歳月
上にのびることばかり考えてきて
土の中深く根を張ることを
忘れていたようです
ヒョロヒョロと
幹ばかり高くのびて
雑然と枝葉がひろがるようになった時
幹や枝葉の重みに耐えられない
根の弱さに
私は初めて気がついたのです
気がついた時には手おくれでした
手おくれとわかったとき
わたしは思いきって
枝葉を落とすことにしました
土の中のわたしの弱い根と
細い幹に支えられるだけの
わずかな枝を残して
あとは、ばっさりと切り捨てました
それは
根の弱い 幹の細い 力のない者が
なんとか自分を守りながら
生きてゆくための
消極的な、しかもそれなりに
勇気のいる生活の智慧(ちえ)でした
とはいうものの
枝葉をおとす時 わたしは
やっぱりさびしい気がしました
もったいないなあと思いました
しかし おかげさまで いまでは
眼に見えない土の中で
弱かった根が新たな活動を始めたようです
枝葉を切り捨てた分だけ
いや、それ以上かも・・・
だれにもわからない根だけが知る
静かな充実感を持ちながら・・・・
いかがですか。
私にも、
「根っこ」をおろそかにし、
ひたすらに枝葉をつけることにばかり
奔走していた頃がありました。
もう完全に自分の「能力」を超えているのに、
私には、「もっと高くもっと高く」と
上ばかり見ていた頃がありました。
足もとの「家庭」、
ひいては
自分自身の「健康」だったり、
「自分を大事にすること」だったりを
おろそかにしていたのでした。
今は、ゆっくりゆっくり
「断捨離(だんしゃり)」をし、
「自分の気持ち」に聴いてみる
ことをしたいと思っています。
そして、しっかりと「根を張りたい」と思っています。
©相田みつを美術館
相田みつを氏の作品の本校HPへの掲載は、
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