<校長室の窓> 一隅を照らす
- 公開日
- 2020/09/16
- 更新日
- 2020/09/16
校長室の窓(〜2020年度)
南中生の皆さんへ
歴史の教科書に出てくる最澄(さいちょう)という人を知っていますね。
そうです。比叡山延暦寺を創建した「伝教大師」です。
最澄が残した言葉の中で、私は次の言葉が一番好きです。
それは、「一隅を照らす」という言葉です。
正確には、最澄は次のように言っています。
「一隅(いちぐう)を照らす、これ則(すなわ)ち国宝なり」
この言葉は、人によって、解釈が異なりますが、
私は、次のように解釈しています。
一隅とは、「片すみ」という意味。
その「片すみ」の誰も注目しないような物事に
ちゃんと取り組む人こそ、とても尊い人だ!
誰もが注目するような「表舞台」でスポットライトを浴びながら、
派手に活躍するばかりが尊いわけではありません。
一人ひとりが「自分のいる場所」で一隅を照らしていくことこそ、
私たちの本来の役目であり、
それが積み重なることで、
世の中全体が良くなっていくのではないでしょうか。
私たちはすぐ、派手なこと、目立つことに目を奪われてしまいます。
しかし、どこかの「片すみ」で、
誰の目にも止まらないようなものに目を向けていくことも、
同じように尊いことなのです。
まず目の前のこと、今自分にできることを一生懸命やる。
そうやって一人一人が灯す小さな光がやがて大きな光となる。
忘れがちですが、
そんな「当たり前」のことを思い出させてくれる言葉ですね。
「一隅を照らす人間でありたい!」
私は、そう願いながら生きていきたいと思っています。
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