学校日記

<校長室の窓> 神聖な場所

公開日
2020/09/11
更新日
2020/09/12

校長室の窓(〜2020年度)

南中生の皆さんへ

ソニーの創業者である井深大(いぶか・まさる)さんが、
こんな話をしています。

井深さんがソニーの社長をしていた時、
厚木市に新工場ができました。
最新鋭の工場でしたので、
全国からはもちろん、世界中から見学者が来ました。

しかし一つだけ問題がありました。
それは、トイレの落書きです。
「ソニーの恥だ」ということで、
社長命令で「落書きをやめなさい」と指示を出しました。
工場長も一生懸命、社員に落書きをやめるように言いました。

でも落書きは,、なかなかなくなりませんでした。
しまいには「落書きをするな」という落書きまで出てきたそうです。

社長命令でも工場長の呼び掛けでも、
落書きをやめさせられませんでした。
井深氏は、自分がリーダーシップを取れなかったことを恥じました。

3か月が過ぎ、どうしようもなくて諦めかけていた頃、
工場長から電話がかかってきました。

「社長、トイレの落書きがなくなりました!」と。
井深さんはびっくりしました。

どうやって落書きをなくしたのか。
実はパートのトイレ掃除の女性が、
家から「かまぼこ板」を数枚持ってきて、
マジックでこう書いてトイレの入口に貼り出したというのです。

「落書きをしないでください。ここは私の神聖な職場です。」

いかがですか。
パートでトイレ掃除をしていた女性の言葉「ここは私の神聖な職場」に、
工場の人々は、心を打たれたのです。

さて、皆さんの教室も、皆さんにとっては「神聖な場所」だと思います。
仲間とともに「学び合う場」。
まさに「心の道場」と言ってもいいでしょう。

その「神聖な場所」である教室の黒板に、
落書きをしていいのでしょうか。
落書きをしている人がいたら、
「やめなよ!ここは私たちの神聖な場所なんだよ!」

と注意をすべきではないでしょうか。

昨日、ある教室の「落書き」を見て、
この話を思い出しました。

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