<校長室の窓> 自分のものの見方・考え方
- 公開日
- 2020/09/10
- 更新日
- 2020/09/10
校長室の窓(〜2020年度)
南中生の皆さんへ
上の写真は、大原美術館(岡山県倉敷市)所蔵の
クロード・モネの有名な『睡蓮』(出典:大原美術館公式サイト)です。
皆さんはこの絵を見て、何を感じ、何を思いましたか。
4歳の男の子が、このモネの『睡蓮』を指さして、
「あっ、かえるがいる!」と言ったそうです。
その場にいた学芸員は、
この絵の中に「かえる」がいないことは当然知っていたはずですが、
「えっ、どこにいるの?」と聞き返しました。
すると、男の子はこう答えたそうです。
「水の中にもぐっている」
これこそが、本来の意味での「アート鑑賞」ではないでしょうか。
その男の子は、作品名だとか解説文といった既存の情報に、
「正解」を見つけ出そうとはしませんでした。
むしろ、「自分だけのものの見方・考え方」でこの作品をとらえて、
「彼なりの答え」を手に入れています。
彼の答えを聞いて、皆さんはどう感じましたか?
くだらない?
子どもじみている?
しかし、ビジネスだろうと学問だろうと人生だろうと、
「自分のものの見方・考え方」を持てる人こそが、
結果を出したり、幸せを手にしたりしているのではないでしょうか。
じっと動かない1枚の絵画を前にしてすら
「自分なりの答え」をつくれない人が、
激動する複雑な現実世界のなかで、
果たして何を生み出したりできるのでしょうか。
天才画家ピカソは、次のように言っています。
「すべての子どもはアーティストである。
問題なのは、どうすれば大人になったときにも、
アーティストのままでいられるかだ。」
<参考文献>
末永幸歩『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)