学校日記

<校長室の窓> 人生は常にこれから

公開日
2020/09/09
更新日
2020/09/09

校長室の窓(〜2020年度)

南中生の皆さんへ

江戸時代後期の浮世絵師の葛飾北斎を知っていますね。

生誕260年を迎えた今なお、
世界中の人々を魅了してやまない葛飾北斎。
あの天才ゴッホに大きな影響を与えたことでも有名ですね。

1849年春、北斎は病で90年の生涯を閉じますが、
北斎の絵に向き合う姿勢を非常によく表しているのが、
75歳の時にしたためた次の一文です。

(原文)
己6才より物の形状を写の癖ありて、
半百の此より数々画図を顕すといえども
70年前画く所は実に取に足ものなし。
73才にして稍禽獣虫魚の骨格草木の出生を悟し得たり 
故に86才にしては益々進み 
90才にして猶其奥意を極め一百歳にして正に神妙ならん歟 
百有十歳にしては一点一格にして生るがごとくならん


(現代語訳)
私は6歳の頃より絵を描くようになった。
50歳になってからも数々の絵を描いたが、
70年間描いてきた絵は「全くダメなもの」ばかりだ。
73歳で、ようやく鳥・虫・魚・草木などが描けるようになった。
86歳・90歳・100歳と研鑽を重ね、
百数十歳まで努力すれば、
きっと「生きているような絵」が描けるだろう。


この言葉から、生涯を通じて「絵の道」を究(きわ)めていこうという
北斎の並々ならぬ「情熱」と「気概」が伝わってきますね。
彼は、「絵の道」を究めるために、
1年でも「長生きしたい!」と、常に言っていたそうです。

一つのことに打ち込み、
「自分が納得できるまで生きてその道を究めたい!」と語る北斎。
本当にすごいですね!

皆さんは、まだ13歳・14歳・15歳。
「自分には才能が無い…」なんて、あきらめる歳ではありません!
「人生は常にこれから」です。
ぜひ、何か一つでいいので「打ち込めるもの」を見つけて、
努力をしていってくださいね!

葛飾北斎の詳細はココをクリックしてください。
(写真出典 Yahoo!画像)