<校長室の窓> 自然から学ぶ生きるチカラ
- 公開日
- 2020/09/08
- 更新日
- 2020/09/08
校長室の窓(〜2020年度)
南中生の皆さんへ
1973年に「あのねのね」というコンビで芸能界にデビューした
清水国明氏は、その後、紆余曲折を経て、現在、
NPO法人「河口湖自然楽校」楽校長
山梨学院大学現代ビジネス学科客員教授を務めています。
そんな彼が、「日本野外研修ワークショップ協会」主催の講演会で
話した講演録を読む機会がありましたので、紹介しますね。
(以下引用)
山口県周防(すおう)大島町にある「片島」という無人島を購入し、
そこで研修を始めました。
無人島ですから「研修」といっても実は何もありません。
ただ火をおこしたり、
「水洗トイレ」と言いながら海辺でウンチをするだけです。
簡単な折りたたみの椅子に穴を開け、
波打ち際のところに置いて用を足します。
波が来てサーッとウンチを洗い流していく。
「見事な水洗だな〜」と感心します。
でも次の波が来ると、
さっき流れていったウンチがまた自分の足元に戻ってくるんです(笑)。
そういう、電気もない、水道もない、何もない島で、
1週間を過ごす研修です。
「あー、しんどかった。すっかりあの清水に騙された。
あんなところ行くんじゃなかった」と、
さんざん文句を言いながら、みんな家に帰るわけです。
でも、家の電気を点けると、
「うわっ、うちの電気ってこんなに明るかったっけ?」と思う。
「やっぱりクーラーはいいな。涼しいな。」と思う。
一番感動するのはトイレです。
自分のウンチが見事にきれいに流れていく。
しかも再び戻ってくる心配はない。
「俺たちが今まで暮らしていた生活は、
実はこんなにも便利でありがたいものだったんだ」と、
そこであらためて実感するわけです。
「『ありがたい』の反対語は『当たり前』です」と
言っている人がいましたが、ほんとにそうだと思います。
われわれは今の生活を「当たり前」と思っていますが、
とんでもない。
とても「ありがたい」ことなんです。
なのに「もっともっと」「まだまだ」と、
身の丈以上の便利さをさらに求めようとしている。
現代人はそういう「もっともっと病」にかかっているから、
今ある幸せに気付かない。
それに気付いてもらうために、
僕は「原点」を経験してもらう研修をやっているわけです。
そんな「原点」を経験して自分の家に帰ると、
「こんな便利なところで暮らせるなんて!」と
喜びと感謝に満ちながら毎日を過ごせます。
ですから僕はこの島を「ありが島(とう)」と名付けました。
(引用終わり)
いかがですか。
台風10号で、九州では停電になった家が何万戸もあると聞きました。
被災された地域の早期復興を、心から祈っております。
「電気がつく」「水道の水が飲める」「ご飯が食べられれる」…
この「当たり前のこと」の中に、
「ただごとではない幸せ」があるのですね!
清水国明氏の詳細はココをクリックしてください。
(写真出典 Yahoo!画像)