学校日記

<校長室の窓> 見えない容器

公開日
2020/08/21
更新日
2020/08/21

校長室の窓(〜2020年度)

南中生の皆さんへ

こんな逸話(いつわ)を聞いたことがあります。

世界で最も美しい鳥と言われている「ケツァール」に、
ある人が話しかけました。
「ケツァール君、『愛してる』と言ってごらん。
 そうか、言えないんだ。
 君は美しいけれど、こんな言葉も言えないんだね!」と…。
すると、ケツァールがその人に言いました。
「君は飛べるのか?」と…。

この逸話が意味するものは奥深く、
私たちに色々なことを教えてくれていると思いますが、
私はこの逸話から、短所をけなし合っても全く意味はない。
素直に互いの「良さを認め合うことこそ大切」であり、
生産的だ感じました。

どんな人にも「長所」「得意分野」があるはずです。
でも、実はそれに気付いていない人が、とても多いと思います。
それは、心が何かの「見えない容器」に閉じ込められて、
自由な発想や思考ができなくなっているからではないでしょうか。

ならば、誰かが、その「見えない容器」に気づいてあげて、
その容器の「ふた」をとってあげればよいと思うのです。

その「誰か」というのは、
友達であったり、親であったり、先生であったり…。
皆が、その人の長所を認めて褒めてあげれば、
その人は、自分の良さに気づきます。
つまり、「見えない容器」のふたをとってあげれば、
その人は必ず伸びるのです。

昨年度、「夢道場」でお招きした杉浦誠司氏の言葉が、
とても印象に残っています。

蚤(ノミ)は60センチまでジャンプできるといわれています。
蚤を30センチの高さの容器に入れると、
身体を天井にぶつけながら必死でジャンプし続けますが、
次第に天井にぶつからないように、
28センチくらいしか跳ばなくなるのです。
そして、その蚤を容器から出しても、
28センチくらいまでしか跳べなくなるそうです。

あなたは、自分の心を、
何かの「見えない容器」に閉じ込めていませんか。
友達も「見えない容器」に閉じこもっていませんか。


だったら、お互いにそれぞれの「長所」を認め合い、
「心を揺さぶる声」を掛け合って、
「見えない容器」のふたをとってあげましょう!

「心を揺さぶる声」の内容は、全く違っていいのです。
「君の英語の発音、きれいだね!将来は英語の先生になれるよ!
「君こそ。美術の絵すごい上手だよ!絵で食べていけると思うよ!」
そういうあたたかいコミュニケーションが大切です。

南中生の皆さんが「見えない容器」から抜け出し、
自由な発想や思考で、活躍することを祈っています。

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