<校長室の窓> 子育てで大切なこと
- 公開日
- 2020/07/03
- 更新日
- 2020/07/04
校長室の窓(〜2020年度)
保護者の皆様へ
「子育て」で大切なことは、たくさんあると思いますが、
今日は、2つのことを書かせていただきます。
「安心感」
こんなエピソードを聞いたことがあります。
自転車に乗れなかった男の子がいました。
それを克服するために、男の子の父親が練習に付き合いました。
公園の広場で、父親に後ろを支えてもらいながら、
男の子は、何周も何周も、自転車をこぎました。
ついに父親は疲れ果て、自転車から手を放して、
しゃがみこんでしまいました。
男の子は、「父親が押さえているから大丈夫」と安心しながら、
そのままずっと自転車をこぎ続けました。
かつてできなったことが、
親が与える「安心感」によってできるようになる。
そして、
「親が手を離さなければ、子どもはいつまでも自立できない」
ということを教えてくれています。
「待つ」
プロ野球のコーチが選手に、
「左方向に打てるようになったら俺のところに来い。
それまではお前に指導はしない!」
と言ったそうです。
スポーツ新聞の記者が、「この人冷たいなぁ…」と思い、
そのコーチに「なぜあんなことを言ったのですか」と尋ねました。
すると、そのコーチは、
「教えるのは簡単だ。でも教えるとすぐに忘れちまうんだ。
自分で創意工夫し一生懸命体得する、それが重要なんだよ!」
と答えました。
その選手は、一生懸命何日も何日も1人で練習をして、
やがて、左方向に打てるようになりました。
子育てにも、同じようなことが言えると思います。
何ごとも教えるのは簡単です。
しかし、教えたことはすぐに忘れてしまいます。
頭だけ、机上だけで、
「命を大切にしよう」「人を傷つけないようにしよう」
と、子どもたちに唱えさせても、意味はありません。
子どもたち自身で、「あっ、そうか!」と気づくこと、
それが大切なのです。
でも、これがなかなか難しいのです。
なぜなら、待ってあげなければいけないからです。
「待つ」ということほど、大変なことはありません。
教える方が、よっぽど簡単です。
私たち大人が、しっかり「待つ」ことができれば、
子どもたちは、何度も失敗しながら、
自ら「生きる力」を培っていくのです。
ぜひ、お子様に色々な体験をさせてげてください。
その中で、たくさん失敗させてあげてください。
そして、お子様の「気づき」「成長」を待ってあげてください。
釈迦に説法をお許しください。
©相田みつを美術館
相田みつを氏の作品の本校HPへの掲載は、
相田みつを美術館から許可をいただいています。