<校長室の窓> 信じて待つ
- 公開日
- 2020/06/03
- 更新日
- 2020/06/04
校長室の窓(〜2020年度)
保護者の皆様へ
今日は、『プチ紳士からの手紙』に掲載されていた
埼玉県所沢市の35歳の男性の投稿をご紹介します。
(以下、引用)
『オヤコウコウの意味』
「オヤコウコウってなあに?」
あれは僕がまだ小学生の時だ。
ふいに、僕は母に尋ねた。
母ははっきり答えた。
「あなたが生きていることよ」
僕はその言葉の意味を深く考えなかった。
だけど、やがてその意味がわかる時がきた。
あれは、僕が20歳の時だった。
就活中の僕は50社受けて、ひとつも内定をもらえずにいた。
毎日届く不採用通知。
一気に10社から来た日には、もう死すら考えた。
いらない人間。
そう言われてるみたいだった。
結局、働かずそのまま引きこもりになった。
初任給で、親を旅行に連れていく友達もいた。
マッサージチェアを贈る奴もいた。
母の日に花束を抱えて帰る奴だって…。
そんな友達を見ては、自分が親不孝だと思った。
働かないし花も買えない。
旅行に連れ出す金も気力もない。
いっそ死んだら楽になるのに。
そう思った。
だけど母は言った。
「生きてさえいればいい」
今も昔も変わらぬやさしさがそこにはあった。
確かに生きることは難しい。
毎日思うようにいかないことだらけ。
右往左往する日も、四苦八苦する日もある。
だけど生きていればいいことがある。
母のやさしさはそれを教えてくれた。
暗い引きこもりの時代も5年で終わった。
長くも辛い、そんな旅だった。
だけど、長いトンネルも終わりがちゃんとあった。
今では「早く働け」と言わなかった母に感謝しかない。
(引用終わり)
私自身、教育者でありながら、
「子育て」は、決して上手ではありませんでした。
思うようにならないことばかりでした。
実は、恥ずかしながら、今も多くの悩みや心配を抱えています。
でも、2人の娘が「今、生きていてくれている」だけで、幸せです。
「新型コロナウイルス感染症」で、日本中・世界中の人々が
窮屈な生活を強いられ、ともすると、心を病んでしまいそうです。
そんな中で、私達大人の「希望の光」は、子どもたちです。
お子様との生活や会話の中で、
きっとイライラすることもあろうかと拝察致します。
そんな時は、今一度、お子様が誕生された時の
「生まれてきてくれて、ありがとう!」
「はじめまして、やっと会えたね!」
と心から喜ばれた、あの感動の瞬間を、
思い出していただけたら幸いです。
最後に、
上の投稿は、大人の思い通りにならなくても、
なお、「子どもを信じて待つ」ことの大切さを、
私たち大人に教えてくれています。
釈迦に説法をお許しください。
出典『プチ紳士から手紙』
『プチ紳士からの手紙』の内容の本校HPへの掲載は、
「プチ紳士・プチ淑女を探せ!運動」代表の志賀内泰弘氏から、
許可をいただいております。
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