<校長室の窓> ラグビー・カナダ選手が教えてくれたもの
- 公開日
- 2019/10/15
- 更新日
- 2019/10/15
校長室の窓(〜2020年度)
ラグビーワールドカップ「日本大会」は、10月13日、
予定されていたB組最終戦のカナダVSナミビア戦が、
台風19号の影響により、中止になりました。
カナダは、戦わずして無念の「最下位」が決まりましたが、
チームは「台風の爪痕」が残る釜石市に残って、
泥掃除などの「ボランティア活動」に参加しました。
カナダの代表選手たちは、試合が中止になった13日、
釜石市内の住宅街の道路に溜まった泥を除去するため、
ラグビーボールではなく、「スコップ」を手にしたのです。
そして、心優しきカナダ選手達は、
ポリ袋に泥を詰め込む作業などを次々と行ったのです。
何が、カナダ代表選手を、ボランティアに駆り立てたのでしょうか。
参加したピーター・ネルソン選手が、その理由を明かしています。
「試合がキャンセルとなって、我々は落胆しました。
しかし、こんな時だから、
ラグビーよりも遥かに重要なものが存在するのです。
ここでは(台風で)壊された人々の住む家を何軒も見ました。
そして、我々にできることであれば、どれだけ小さい役割だとしても、
彼らの手助けになることはしようとしたのです。」
そして、釜石に刻まれた自然災害の爪痕に、
カナダ代表選手は、立ち上がりました。
その行動には、実は「恩返し」の意味が込められていたというのです。
ネルソン選手は、こう言っています。
「この人たちのおかげで、大会が成り立っている。
こんなにまで友好的な国ですから、
できるだけの恩返しをしようというのが正しい道です。」
日本国内での事前合宿などで、地元と絆を育んできたカナダ。
惜しみない声援などで大会を盛り上げてくれた日本に感謝したい!
ボランティアの根源に存在した「日本への愛情」を明かしていました。
ピッチ上で勝敗を争うだけが、出場選手の役割ではありません。
釜石で見せたカナダ代表のボランティア活動は、
海外メディアやファンからも大きな称賛を集めました。
(参考 英BBC放送)
南中生の皆さんへ
私たちができることは何でしょう。
中学生の君達ができることは何でしょう。
ボランティアはできなくても、できることがあります。
いや、しなければならないうことがあります。
それは、
「生かされている」ことに感謝し、
「今日一日を一生懸命に生きる!」ことではないでしょうか。
電気が使える、水が出る、学校に行って友達と一緒に学べる…。
「当たり前」だと思っていたことは、
実は、多くの人々の努力と営みに支えられているのです。
また、相田みつを氏は、次のように言っています。
土 水 空気
にんげんがつくったものじゃねんだよな みつを
太陽の光もそうですね!
人間がつくったものでない「自然」の恵みに育まれ、
私たちは「生かされている」のです。
「生かしてもらっている」のです。
そのことに感謝し、今日という日を力いっぱい生きていきましょうね!