学校日記

<校長室の窓> 開校記念樹に思う

公開日
2019/04/26
更新日
2019/04/26

校長室の窓(〜2020年度)

南中生の皆さんへ

もうすぐ「平成」が終わります。
開校記念樹は、「昭和」から「平成」にかけて、
ずっと、南中生を見守ってきました。

開校記念樹の樹木の名前は「クスノキ」です。
4月末に落葉し、若葉がでます。
ちょうど、今がその時期です。

私は、ふと、次の詩を思い出しました。
読んでみてください。

ゆずりは    河合酔茗

こどもたちよ、
これはゆずりはの木です。
このゆずりはは
新しい葉ができると
入れ代わって古い葉が落ちてしまうのです。

こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉ができると無造作に落ちる、
新しい葉にいのちを譲って—。

こどもたちよ、
おまえたちは何をほしがらないでも
すべてのものがおまえたちに譲られるのです。
太陽のまわるかぎり
譲られるものは絶えません。

輝ける大都会も
そっくりおまえたちが譲り受けるものです、
読みきれないほどの書物も。
みんなおまえたちの手に受け取るのです、
幸福なるこどもたちよ、
おまえたちの手はまだ小さいけれど—。

世のおとうさんおかあさんたちは
何一つ持っていかない。
みんなおまえたちに譲っていくために、
いのちあるものよいもの美しいものを
一生懸命に造っています。

今おまえたちは気がつかないけれど
ひとりでにいのちは伸びる。
鳥のように歌い花のように笑っている間に
気がついてきます。

そしたらこどもたちよ、
もう一度ゆずりはの木の下に立って
ゆずりはを見る時がくるでしょう。