学校日記

裸の木蓮

公開日
2019/03/17
更新日
2019/03/17

校長室の窓(〜2020年度)

裸の木蓮  相田みつを

いま庭の木蓮は裸です
彼は一枚枝に残しておりません
余分なものはみんな落として
完全な裸です

しかしよく見ると
それぞれの枝の先に
固い蕾を一ツずつ
持っています

木蓮にとって
一番大事なもの
ただ一ツをしっかりと
守りながら
冬の天を仰いで
キゼンと立っています

キゼンということばを
独占したかのように
裸の木蓮は
寒風の中に
ただ黙って立っています


何もない冬の枯れ木のように見えるところに、
もう、「春」は準備されています。
「余分なものはみんな落として」
しっかり、大切な芽のために「寒い冬」に耐えるのです。

大切なもののために、 
大切な命のために。
生命は愛です。
生命は続いていきます。
私たちの次の時代にも続いていくものです。
ですから、生命は未来の希望です。

木蓮の花は、南を向いて咲うのだそうです。
正確に真南を向いて咲くのだそうです。
蕾もそのように準備されています。
きっちり南向きに、大切な生命が芽吹いています。

私達も、「正しい方向」に向かって、
毅然と生きていきたいものですね。

© 相田みつを美術館
相田みつを氏の作品の本校HPへの掲載は、
相田みつを美術館から許可をいただいています。