学校日記

<校長室の窓> ステレオタイプ

公開日
2019/03/01
更新日
2019/03/01

校長室の窓(〜2020年度)

南中生の皆さんへ

今日は、中日新聞「中日春秋」の記事を紹介しますね。

小学校4年生の伊藤七瀬さんは、ピンク色が好きな男の子だ。
幼稚園の時、ピンク色のTシャツを着ていたら、
女の子に言われたそうだ。
「男の子なのに、どうしてピンク色の服なの?」
なぜそんなことを言うのだろう。
お母さんに話すと、こんな言葉が返ってきた。
「ピンク色は、女の子の好きな色だと思う人が多いからね。
 七瀬は、女の子が青色や緑色の服を着ていたら、
 おかしいと思うかな?」

(中略)

女性の政治進出が低調で、
専門・技術職での女性が少なく、
収入の男女差が大きい。
そんな状況が改まらない根底には、
やはり「男は青、女はピンク」式の
硬直した考え方があるのだろう。

七瀬さんは、2年前、小学校に入ってからも、
「男のくせにピンクか」と言われ続けた体験をつづり、
地元・福島県会津若松(あいずわかまつ)市の
「男女平等に関する作文コンクール」で、優秀賞に輝いた。

その作文は、こう結ばれている。
これからも、同じようなことがあると思います。
でもこんどからは、自分ではっきりと、
「ぼくの好きな色なんだ」と言いたいです。

そういうひと言ひと言が、
壁を土台から壊していくはずだ。

(引用おわり)


「男の子なんだから、泣くな!」
「女の子なんだから、お茶を入れなさい」など、
型にはまった考え方や固定観念を、
「ステレオタイプ」と言います。
例えば、バスの運転手というと、男の人を思い浮かべませんか。
保育士というと、女の人を思い浮かべませんか。

そうした先入観や思い込みなどが、
今の日本の社会の根柢にあるのです。
皆さんが社会に出て、活躍する時代は、
「男女平等の時代」であってほしいし、
皆さんが、そういう時代を築いてほしいと願っています。

来週の火曜日は、「卒業証書授与式」があります。
卒業生が一人一人もらった卒業証書を、
本校には、「椅子の下の床の上に置く」という「習わし」がありました。
私は、せめて、床の上にきれいな色の紙を置いて、
その上に卒業証書を置いてもらおう!と思い、
男子は「水色」、女子は「桃色」の紙を発注しました。
それを知った1年生の学年主任(女性)が、
「校長先生、ジェンダーフリーのこの時代に、
 その色の選別には違和感を覚えます…。」
と、そっと助言をしてくれました。
私は、「ハッ」と、気づきました。
自分の頭の中にも、「ステレオタイプ」があったのです。
あやうく、大失敗をするところでした。
私は、たいへん恥ずかしく思いました。
最終的に、紙の色は、3年生の「学年カラー」にすることにしました。