学校日記

<校長室の窓> 中村勘三郎さんから学ぶ

公開日
2019/01/28
更新日
2019/01/28

校長室の窓(〜2020年度)

南中生の皆さんへ

今日、皆さんに紹介する18代目中村勘三郎(かんざぶろう)さんは、
歌舞伎の世界で活躍されている6代目中村勘九郎さんのお父さんです。
勘三郎さんは、2012年に57歳という若さで亡くなり、
各界や彼に親しみを持っていた多くの人たちは、
その「早すぎる別れ」に肩を落としました。
私もそのうちの一人です。

勘三郎さんは、
生前に、歌舞伎をたくさんの人に知ってもらい楽しんでもらおうと、
シアターコクーンでコクーン歌舞伎として新しい演出を取り入れたり、
アメリカのニューヨークで「平成中村座」を上演するなど、
当時のニューヨークタイムズ紙に、
「大作映画よりもはるかエキサイティングでおもしろい!」
と絶賛されるなど、
常に、新しい歌舞伎のあり方にチャレンジしていました。

ある日、そんな活動をする勘三郎さんの取材に来た記者が、
「勘三郎さんの演技は型破(かたやぶ)りですね!」
と語りかけたところ、
勘三郎さんは、
「なに言ってやんでい!」
「型破りっていうのはなあ、型があるから型破り。」
「型が無ければ、そいつは単なる形無しなんだよ!」

と話したそうです。
この話を聞いた時に、「なるほど!」と私は何度も頷いてしまいました。

「型があるから型破りができる」「型が無ければ単なる形無し」
書道や絵画などは、その良い例ではないでしょうか。
皆さんが練習している習いごとも、そうではないですか。
私は次のように解釈しています。

何事も基礎・基本が大切で、これを「型」という。
そして練習を重ねて、
この型をしっかりと身に着けることは、とても大切なこと。

さらに、型を意識して大切にしながらも、
その型を超える発想を持つことが、これからの時代に求められている。
型を超えなければ、新しいチャンスは来ない。
型を超えた時、「自分らしさ」が生まれる。


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(写真出典 Yahoo!画像)