学校日記

<校長室の窓> 腰塚勇人氏から学ぶ

公開日
2019/01/07
更新日
2019/01/07

校長室の窓(〜2020年度)

南中生の皆さんへ

本日の3学期始業式「校長式辞」で、皆さんに紹介しました
腰塚先生の「熱いメッセージ」の「全文」を掲載しました。
もう一度、じっくりと読んでもらえると、とてもうれしいです!

2002年3月1日、人生を大きく変えるできごとがありました。
それは、スキーで転んで、首の骨を折ったことです。

救急車で病院に運ばれました。
このとき、お医者さんは、奥さんに、
たぶん、「寝たきり」か「車いす」の生活になるでしょうと…。

手術は成功しました。
しかし、一週間経っても、手足は全く動きませんでした。
のどには管が入り、しゃべることもできませんでした。

毎日、どうやって死ねるか…。
そればかり考えていました。
手足が動かない私が死ねる方法…。
それは舌を噛(か)むことでした。
私は、舌を噛みました。
でも痛くて途中でやめました。
死ねませんでした…。

本当は、生きていたかった…。
でも、生き方がわからなかった。

そんな私に、生きる勇気をくれた人。
「何があってもずーっと一緒にいるから…」奥さんの言葉。
「お母さん、代われるものなら代わってあげたい…」母の言葉。
「先生、待っているから…」職場の仲間とクラスの生徒達の言葉。
事故で死んだ教え子の存在。病気で死んだ友達の存在。

「優しさ」と「強さ」をもらったときでした。
一人じゃないって…。
生きなきゃって…。
「助けてって」言っていいんだって。
気がつきました。

動けなくても、
「花」のように生きることはできるかも知れない。
いつも「笑顔」でいると決めました。
どんなことにも、「ありがとう」を言おうと決めました。

そうしたら、
手足が動き始めてくれたのです。
そして、必ず学校に戻ると決めました。

しゃべれる喜び。
立ち上がれ、歩ける喜び。
字が書け、お箸が使える喜び。
当たり前だと思っていたことに、
「幸せ」と「感謝」を見つけました。

ケガから4か月後、学校へ戻れました。
学校へ戻るときに決めたことがあります。

口は、人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう!
耳は、人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう!
目は、人の良いところを見るために使おう!
手足は、人を助けるために使おう!
心は、人の痛みがわかるために使おう!
私を助けてくれた人たちがしてくれたことを、今度は私がしよう!

実は、首の骨を折ったあと、お医者さんから、
「赤ちゃんができないかもしれません…」って言われました。

でも、奇跡が起きました!
息子が生まれたのです。

息子が生まれてきてくれて、あらためて感じたことがあります。
子どもは、いてくれるだけで、人を幸せにしてくれている。
そして、笑顔は、人を幸せな気持ちにしてくれる。

そうなんだ!人は生まれたときから人を喜ばせる存在で、
苦しいことがあっても、乗り越えられる力を持っている。
生まれたときから持っている力を、
もう一度、人のために使うと決めました。

それと、私は首の骨を折って、「大失敗」をしました。
一度は、辛くて、苦しくて、
生きることを終わりにしようと思いました。
でも、みんなのおかげで、生きることを止めずに
幸せになる努力を続けてこられました。

君たちも、何度も失敗をして、
辛(つら)い思いや悲しい思いをすることがあると思う。
でもね、失敗は悪いものではなく、
夢にまた一歩近づき、成長した証拠なんだ。
「失敗」の反対の言葉は、「成功」ではなく、
人のセイや言い訳をして、「何もしなくなること」

自分の人生。
失敗しても、自分を信じて、
自分で楽しく生きる努力を続けてほしい。

決して一人じゃないから。
応援してくれる人は必ずいるから。
そして、強い気持ちの夢は、必ず叶(かな)うから。

笑顔と、「ありがとう」をたくさん言って、
みんなで、楽しく生活しようね。


私は、「腰塚勇人5つの誓い」を、
「南中生5つの誓い」にしていけたらいいな!と思っています。