<校長室の窓> スマートフォンの危険性
- 公開日
- 2018/09/19
- 更新日
- 2018/09/20
校長室の窓(〜2020年度)
南中生の皆さんへ
川島隆太監修『やってはいけない脳の習慣』(青春出版社)という本を、
最近読みました。
その中で、「衝撃的」な事実を知りました。
家庭で平日に2時間以上勉強していても、
1日4時間以上スマートフォンを使っていると、
勉強はほとんどしないがスマートフォンを使わない子どもの成績と
同じかそれ以下の成績になってしまう。
スマートフォンの使用時間が長い子どもから、
せっかくやった学習内容が消えてなくなっていったというのです。
これは、東北大学と仙台市教育委員会が協力して、
7万人の子どもたちからとったデータからの分析で、
信頼性があります。
では、なぜ、いくら勉強しても、スマートフォンを長く使うほど
成績が下がってしまうのでしょう。
脳科学者の川島隆太氏は、
「脳の中の前頭葉(ぜんとうよう)の活動低下が原因と思われる」
と述べています。
もちろん、スマートフォンを長く使っていれば、
それだけ、勉強時間の「絶対量」も減るわけですから、
「学力低下」につながることは、言うまでもありません。
また、スマートフォンの画面から出る「ブルーライト」は、
紫外線の次にエネルギーが強く、
目が疲れたり、乾燥したり、眼球を痛めてしまいますし、
ピントを調節する筋肉が固まって、視力低下につながります。
そして、ブルーライトを長時間見ることによって、
睡眠に作用するホルモンである「メラトニン」の生成が抑圧され、
睡眠を妨げます。
睡眠が不足すると、ストレスが溜(た)まりやすくなり、
「チック症状」「抑うつ状態」になることがあると言われています。
さらに、睡眠障害になると、「セロトニン」という脳内物質が減少し、
集中力が低下して、イライラしやすくなるのです。
スマートフォンの使い過ぎは、
まちがいなく、皆さんの体を蝕(むしば)んでいくのです。
では、どのくらいの時間ならいいのでしょう。
脳科学者の川島隆太氏は、
「1時間未満にするべき!」と、はっきり言っています。
1時間未満にする!という「自制心」「自分をコントロールする力」が、
学力向上にもつながるとも述べています。
スマートフォンは、いじめやトラブルを引き起こす「温床」だけでなく、
使いすぎると、皆さんの体にも、直接的に悪影響を及ぼします。
スマートフォンは便利です。
私も使っています。
でも、この機械とは、上手に付き合っていきましょう!
さあ、今日から、スマートフォンに触れるのは、
1時間未満におさえましょう!
LINEは、「本当に大切な人」とだけ、
「本当に必要な時」に使いましょう!
「自制心」があるかどうか、
「自分をコントロール」できるかどうか、
これが、今後の皆さんの人生に大きな影響を及ぼします。