<校長室の窓> カズオ・イシグロ氏から学ぶ
- 公開日
- 2018/09/07
- 更新日
- 2018/09/08
校長室の窓(〜2020年度)
南中生の皆さんへ
カズオ・イシグロ(63)という人を知っていますか。
昨年、ノーベル文学賞に輝いたイギリス人作家です。
彼は、日本人の両親の下で長崎市に生まれ、
5歳でイギリスに渡りました。
日本出身の作家としては、
1968年の川端康成、1994年の大江健三郎に続く3人目で、
23年ぶりの受賞となりました。
スウェーデンのストックホルムで行われた彼の記念講演の中で、
私は、次の言葉が印象に残りました。
分断(ぶんだん)が危険なまでに深まる時代、
耳を澄(す)まさなければならない。
良い作品を書き、読むことで
壁は打ち壊される。
貧富の格差の拡大、人種差別主義の台頭(たいとう)などを、
彼は、「目覚(めざ)めつつある怪物」
と例えています。
その怪物に立ち向かっていくために、
今こそ、文学が重要な役割を担わなければならないと、
彼は言っています。
さて、私が皆さんに訴えたいのは、ここからです。
カズオ・イシグロ氏のように「高い志(こころざし)」
を持った人の「思い」を知るためには、
私たち自身が、文学を愛し、文学に親しまなければなりません。
本を読みましょう!
世界の様々な文学に接しましょう!
そうすれば、
皆さんの視野が拡(ひろ)がり、
皆さんの思考が深まり、
皆さんの感性が磨(みが)かれ、
皆さんの感情が豊かになります。
さあ、今日から、スマホやゲームに費(つい)やしていた時間を、
「本を読む時間」にしましょう!
全部の時間が無理なら、せめて「半分」を読書に!
実行するかしないか、
その「選択」は、皆さん自身がすることです!
無駄(むだ)で空(むな)しい時間を過ごすのか、
それとも、自分を成長させるための充実した時間を過ごすのか。
どうか「良き選択」を!
※カズオ・イシグロ氏の詳細は、ココをクリックしてください。
(写真出典 Yahoo!画像)