校庭の花
- 公開日
- 2018/08/28
- 更新日
- 2018/08/28
校長室の窓(〜2020年度)
校庭の花です。
よく見ると、かわいい蝶(ちょう)がとまっていました。
カメラマンは、ふと、
三好達治の「郷愁(きょうしゅう)」という詩を、思い出しました。
その一節(いっせつ)に、こんな言葉があります。
海よ、僕らの使う文字では、お前の中に母がいる。
そして母よ、フランス人の言葉では、
あなたの中に海がある。
<解説>
日本語の「海」という漢字の中には「母」という文字があります。
フランス語の母「la mère(ラ・メル)」の中に、
海「la mer(ラ・メル)」があるのです。
海は母。母は海。
母はいつも、「海のように深い愛情」で、
私たちを包んでくださっているのです。感謝…。
<全文>
郷愁 三好達治
蝶のような私の郷愁!
蝶はいくつか間垣(まがき)を越え、
午後の街角に海を見る。
私は壁に海を聴く。
私は本を閉じる。
私は壁に凭(もた)れる。
隣の部屋で二時が打つ。
「海、遠い海よ!」と私は紙にしたためる。
海よ、僕らの使う文字では、お前の中に母がいる。
そして母よ、仏蘭西(フランス)人の言葉では、
あなたの中に海がある。
三好達治『測量船』より引用