<校長室の窓> 鉄人から学ぶ
- 公開日
- 2018/05/11
- 更新日
- 2018/09/24
校長室の窓(〜2020年度)
南中生の皆さんへ
プロ野球・広島東洋カープの元内野手で、
2215試合連続出場の世界記録(当時)を記録して、
「鉄人」の愛称で親しまれ、国民栄誉賞を受賞した
衣笠祥雄(きぬがささちお)氏が、先月23日に、
上行結腸がんのために亡くなりました。71歳でした。
ご冥福をお祈り申し上げます。
実は、かつての世界記録「2215試合連続出場」ばかりが
クローズアップされる衣笠さんですが、
意外と見落とされているのが、
衣笠さんが「ホームランバッター」だったということです。
通算ホームラン数は504本。これは歴代7位の記録です。
衣笠さんは、23年間のプロ野球生活で、
3割を打ったシーズンは、たった1度しかありません。
ねらえば、何度でも3割を打てたはずなのに、
それをしなかったのは、常に、「ホームラン」を追求していたからです。
三振の数は、歴代9位の1587個。
豪快なフルスイングで「ホームランか三振か」
それが衣笠さんの「美学」でした。
プロ6年目の終盤から、連続試合出場がスタートします。
ケガをしても休まず試合に出続け、常にフルスイングをしていきます。
そんな衣笠選手に、絶体絶命の危機が訪れます。
記録がスタートして10年目の8月、
巨人・西本投手から、背中にデッドボールをくらってしまったのです。
診断の結果は、左肩の肩甲骨(けんこうこつ)の骨折。
「さすがに、今度ばかりはムリか…」と思いましたが、
朝起きたら奇跡的に腕が上がり、
翌日の試合、衣笠選手は、代打で出場。
巨人のエース・江川投手と対決します。
連続出場を途切れさせないためなら、
ただ立って、見逃し三振をしてもよかったのですが、
それは自分の美学に反すると、
なんと衣笠選手は、激痛をこらえ、
江川投手の剛速球をフルスイングで打ちにいったのです。
結果は、三球三振でした。
しかし、バットを振り抜いての三振でした。
試合後、衣笠選手は、こうコメントしました。
1球目はファンのために、
2球目は自分のために、
3球目は、僕にぶつけた西本君のためにスイングしました。
鉄人は、素晴らしい「人格者」でもあるのです。
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(写真出典 Yahoo!画像)