暑い夏に<2>
- 公開日
- 2010/07/27
- 更新日
- 2010/07/27
校長メッセージ
漠然と描いた夢。自分の経験で誠に恐縮ですが。夢の内容はこの場ではご容赦させてもらいますが、確かに中学校から高校・大学にかけて描いていた夢がいくつかありました。中学校時代には1年生から「何となく兄貴と同じ高校に通いたい。」という夢がありました。でも成績が「とても無理・ほとんど無理という状態」で、両親もそんなに無理をさせるなと言う考えでした。だからこそ、しだいに「これではいかん。」子ども心にもそんな考えが芽生え、通学時間歩いて30秒。時々走って15秒の地の利(一度だけ遅刻をして生徒手帳を取り上げられ職員室で指導を受けました。「お前が遅刻していたのでは他の生徒への指導ができん。」みたいな感じで)を生かして、本気で勉強をやり始めました。部活動を終えて帰宅していく友人は30分以上かけて帰宅します。「この時間にできるだけ宿題を終わらせて、後は勉強に回そう。」そんな感覚で始めた中1からの勉強。「お勉強のできない自分は人の何倍も勉強しないとだめなんだ。」と考え始めていました。でもそれは自分で考えたものではなく、ある光景がその支えでした。母の実家に遊びに行くことがよくあり、そのたびにその実家のお嬢さんは、いつも勉強をされていました。私たちが遊びに行った時でも、一定の時間が過ぎてから私たちとお話をしたり、遊んだりしてくれました。その間はお勉強をしていたのでした。その集中力を小学生だった自分は何となく記憶に留めており、「ああ勉強をするということはきっとこういうことなんだ。」と勉強に対するひとつのイメージをもつようになりました。
中学校3年生の夏休みは部活動の愛日大会は一回戦負けで(当時は市大会がなくいきなり愛日大会でした)、その後の毎日は部活動で得た体力と集中力で、午前中は涼しい内にひとがんばりして、午後は当時まだあったプール開放に行って3時まで遊んで、それから少し遅い昼寝。そこからまた二がんばり、三がんばりをしました。そしていつしか、漠然としていた夢が現実の射程距離に入ってきました。そんな頃にもう一つの夢。それが教員でした。まあその夢もまた少しずつ形を変えながら、高校時代には別の夢を考えたりしていました。それで少し遠回り?をしました。
先日PTA新聞に「夢との距離感」という言葉を使いました。言い換えれば「自分の目標までの道のり」みたいなものでしょうか。今確実な目標を持っている人も、そうでない人もその目標までの道のりを考えると何となく蜃気楼みたいで、具体的に見えているようでもつかめない、そんな感じではないでしょうか。でも、中学生として自分の進路を決めなければならない期日は毎日確実に近づいてきます。焦る必要はありませんが、毎日の過ごし方を真剣に考えることが大切になってきます。
この夏休みは3年生の皆さんにとって、夢を具体的にするための行動をする絶好に機会です。例えば、高校見学や職場見学に行ってみるとか、自分の苦手な教科を徹底的にやってみるとか、自分の目標や夢の話を親にしっかり聞いてもらったりするなどです。漠然としていることを誰かに話すことで、自分の考えの矛盾も分かったりしてきます。暑い夏ですが、じっくりと自分の夢を煮込むには良い機会です。煮詰まった頭を時々冷たい水で冷やしながら、自分の進路を冷静に考えましょう。
7月29日の出校日は卒業生の話を聞く会です。先輩達の今を聞きながら、私たちの今を考える日にしましょう。
ゴーヤもこの暑さで逆に成長を続けて、ツルが天空に向けて伸びようとしています。
皆さんもがんばってください。