学校日記

集会でのお話

公開日
2010/05/10
更新日
2010/05/10

校長メッセージ

 集会で、表彰もあったりして時間がきてしまい、記憶のお話がすべてできませんでした。原稿を載せておきます。参考にしてください。
<原稿>
 テストが明日から始まりますが、勉強はしていますか。
 今日は、人間が学んだ内容がどうしたら、記憶の中に残るのかというお話をします。
 ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスは、無意味な単語、日本語でいうと例えば、プメとかリトとかという、それ自体意味をもっていない単語を提示して、これらの記憶が時間の経過とともにどのように変化していくかを実験して次のような結果を導き出しました。有名なエビングハウスの「忘却曲線」というものです。
 20分後には42%を忘却し、58%を保持していた。
 1時間後には56%を忘却し、44%を保持していた。
 1日後には74%を忘却し、26%を保持していた。
 1週間後(7日間後)には77%を忘却し、23%を保持していた。
 1ヶ月後(30日間後)には79%を忘却し、21%を保持していた
 記憶がすこしても頭に残るようにするには、学校から帰ったらすぐに復習を行なう。また復習の回数を1回だけでなく、複数回行なうことが良いようです。また、学校で学習する前に予習をすると、学校での学習そのものが復習の意味を持つことになるので、これも学習内容の定着には効果が高いだろうと考えられます。
 他にも、自分が知っていることや分かることを、友達や人に話したり、教えてあげたりすると良いです。例えば、数学の解き方がわからない友達に、説明をしていくと自分自身がより深く理解することができるし、自分が完璧に理解したつもりでも、教えることでまだあやふやな部分があることに気づくこともあります。そして、相手も理解できるようになる、こういうのを一石二鳥というのでしょうね。
 学習したことを人に教えたら、何か損をするみたいな考えをもっている人がいるかも知れませんが、それは間違いです。私たちは自分で学習してできるようになったことを、実際に試したり、教えたりすることで、より深く理解することができるようになるのです。試してみましょう。
 他にも、記憶内容を自分なりの意味づけをしたり、すでに知っている知識との関連づけ
相互の関連づけたり、自分の体験と関連づけたりする方法などもあると思います。それには個人差や学習の内容の差もあるので、それぞれで工夫してみましょう。
 中学校で学習は難しい部分あるかもしれませんが、決してあきらめないで、分からないところは先生や友達に聞いたりして、できるだけ早く理解しておくようにしていきましょう。中学校の学習は、一生使って行くものです。毎日毎日の取り組みを積み重ねていきましょう。
そう言えば、集会が終わった後に一人に女子生徒が、エビングハウスの名前を記憶していて、教えてくれました。ありがとう。