学校日記

第38回卒業証書授与式 式辞

公開日
2014/03/20
更新日
2014/03/20

校長メッセージ

 晴れの門出を祝って、校庭の桜のつぼみもふくらみはじめ、春の訪れを感じられるようになりました。
 卒業生のみなさん、卒業 おめでとうございます。希望と喜びにあふれるこのよき日に、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜りますとともに、保護者のご列席をいただき、ここに第三十八回卒業証書授与式を盛大に行うことができますことを、心より厚くお礼申し上げます。
 さて、卒業生のみなさん。みなさんと出会ってからの二年間のことを思い出しながら、卒業証書を一人一人に渡しました。みなさんが手にしている卒業証書は、小学校で学ぶべきことを全て学び終えたという、六年間の努力の証です。そして、この大手小学校の卒業生であるという証明書を受け取ったわけです。是非とも、大手小学校の卒業生としての誇りを持ち、中学校に行っても、自信と勇気を持ってがんばってほしいと心から願っています。 
 卒業証書を手にして、今、六年間の歳月を思い起こして、ここまで成長したことの喜びをかみしめていることでしょう。小さかったみなさんが大きなランドセルを背負って大手小学校に通い始めてから、六年が過ぎました。みなさんは、この六年間で多くのことを学び、からだも心も大きく成長しました。特に、この一年間は、様々な場面でみなさんが活躍する姿をたくさん見せてもらいました。五月開催の中で組み立て体操をがんばった運動会、暑い中で練習に励んだ陸上大会、なかよし班をリードして取り組んだ大手っ子ふれあいフェスティバル、友情の輪を広げた男鹿市交流会、仲間と語り合いながら班別見学をした修学旅行、美しい歌声を響かせた大手のつどい。どんなことにも、一人一人が真剣に取り組んでいた姿が心に残っています。
 この成長は、みなさん一人一人の努力の成果ですが、自分の力だけでできたわけではありません。けがや病気をしながらも、元気に今があるのは家族のおかげです。ぜひ、お父さんとお母さんから授かった命を大切にしてください。そして、絶えず見守り、育ててくださったお父さん・お母さん、家族、これまでに出会った先生方や友達、また、登下校を見守って頂いた地域のみなさんなど、多くの方々の支えが、みなさんをここまで成長させてくれたことを忘れないでください。
 さて、昨年平成二十五年の一年を表す漢字は、『輪』と発表されました。
 『輪』の文字の通り、二〇二〇年夏のオリンピックとパラリンピックの開催地に東京が選ばれ、五十六年ぶりに日本に五輪の旗がはためくことになりました。一方、東日本大震災から三年がたつものの、被災地の復興の遅れや、原発事故収束への見通しもなかなか得られない中、日本人が持つ『輪』の精神で、国民全てが協力して困難に立ち向かうことが確かめられた年でした。
 東京でオリンピックが開催される六年後のみなさんは、十八才から十九才です。その気になってがんばれば、オリンピック選手として出場することも夢ではありません。この冬にロシアのソチで開催された冬季オリンピックでは、十五才の平野歩夢さん、十七才の高梨沙羅さん、十八才の平岡卓さん、十九才の羽生結弦さんなど、若い選手が大活躍を果たしました。夢や目標を持つことで、人の持つ力は大きくなります。ぜひ、みなさんも将来の夢や目標を持ってください。夢をかなえるためには、夢を持ち続ける、そして夢を追い続ける努力をすることです。今日は、三人の方の言葉を紹介します。
 日本サッカー界のトップスターである本田圭祐選手は、イタリアのサッカー一部リーグセリエAの名門チームであるACミランに、日本人としてはじめて入団しました。本田選手は、小学校の卒業文集に将来の夢を書いています。『ぼくは大人になったら、世界一のサッカー選手になりたいと言うよりなる。・・・Wカップで有名になって、ぼくは外国から呼ばれてヨーロッパのセリエAに入団します。そして、レギュラーになって、10番で活躍します。・・・』まさに夢のとおり、十五年かけて、セリエAのトップ選手の証である背番号10番のユニホームを手に入れました。
 また、年間最多安打や十年連続二百本安打などアメリカのプロ野球 大リーグで多数の記録を持つイチロー選手は、昨年、日米通算四千本安打を達成しました。イチロー選手は、小学校六年生の作文に次のように書いています。『ぼくの夢は一流のプロ野球選手になることです。そのためには、中学、高校で全国大会へ出て、活躍しなければなりません。活躍できるようになるためには、練習が必要です。・・・今までは、三六五日中、三六〇日は、はげしい練習をやっています。・・・そんなに、練習をやっているんだから必ずプロ野球の選手になれると思います。そして、中学、高校でも活躍して高校を卒業してからプロに入団するつもりです。・・・』
 本田選手とイチロー選手の二人ともに、夢や目標を持ち続けることが、偉大な業績や結果を残す大きな原動力となり、どんな困難にぶつかっても成し遂げられたものです。
 三人目は、昨年九十四才で亡くなった「アンパンマン」の作者、やなせたかしさんです。やなせさんが五十才を過ぎてから発表した 絵本「アンパンマン」は、今も子どもたちに大人気です。みなさんもよく知っている『アンパンマンのマーチ』の唄には、作者のやなせさんの思いが込められています。二番の歌詞を紹介します。
 なにが君の しあわせ
 なにをして よろこぶ
 わからないまま おわる
 そんなのは いやだ!
 忘れないで 夢を
 こぼさないで 涙
 だから 君は とぶんだ どこまでも
 そうだ おそれないで
 みんなのために
 愛と 勇気だけが ともだちさ
 ああ アンパンマン
 やさしい 君は
 いけ! みんなの夢 まもるため
 夢をかなえられるかどうかは本人の努力次第ですが、その努力を支える人がいてこそ苦しい取り組みを続けられます。アンパンマンは武器も特別な能力も持ちません。顔が濡れるだけで力が出なくなる情けないヒーローです。ですが、その弱さこそ彼がヒーローたるゆえんです。愛と勇気「だけ」しか持たなくても、夢を追いかける人たちみんなのために頑張っているから、ヒーローなのです。
 四月から、みなさんは中学生です。中学校では、学習する内容も多くなり、部活動も始まります。無駄な汗はありません。目標をしっかりと持ち、結果を追い求めすぎず、努力を積み重ねてください。そして、みんなのために頑張れる人になってください。
 最後になりましたが、保護者の皆様、本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。この六年間で立派に成長されたお子様の姿をご覧になられ、さぞお喜びのことと思います。これまで十二年間にわたり、陰になり日なたになって、子どもたちを支えてくださったご苦労に対して、心より敬意を表すると同時に、これからのますますのご発展を祈念しております。また、六年間、みんなの保護者という目で、どの子にも優しく時には厳しく接してくださり、ありがとうございました。おかげで子どもたちは、自分の都合だけでなく、広く考える視野を持つようになってきました。共に手を取り子どもたちを育ててくださったことに深く感謝しております。子どもたちも四月からは中学生として、これまでとは違った環境で新しいスタートを切りますが、これまで同様、その成長を温かく見守り、支えていただければと思います。
 職員一同、卒業生のみなさんが、小学校で身に付けた力をもとに、中学校という一回り大きな舞台で、力いっぱい活躍することを心からお祈りいたします。
 以上を、私の式辞といたします。

   平成二十六年三月二十日(木)
  春日井市立大手小学校長
        渡 辺  徹