待つこと
- 公開日
- 2007/09/06
- 更新日
- 2007/09/06
校長メッセージ
現代社会はたいへん便利で、人の欲望をいつでも満たしてくれる環境にあります。インスタント食品、24時間営業のコンビニ、携帯電話、メール、インターネット、多チャンネルTV放送など、いつでもどこでも自分の好きなように行動できます。空腹になればすぐ食べられる、現金がなくても家に居ながらでも買い物ができる、すぐだれとでも簡単に連絡が取れる、夜中でも店は開いている、好きなTV番組が選択視聴できる・・・など。
そんな環境の中で育った今の子どもたちは、「待つ」ということを知らない世代です。待てない=「我慢できない」、したがって短絡思考となり欲望のままに行動するようになりがちです。お腹が減ったら、公共の場でも平気でものを食べる、飲み物を飲む。誰もが勝手に行動し、相手を気遣うことができない、勝手気まま同士の関係となります。待てない、我慢できない、限界が浅いからすぐキレる。そんな人間同士であれば、対人トラブルも多くなります。
一方、精神面は幼く弱いために、傷つきやすい、悩みやすい、落ち込みやすい。さらに進めば精神疾患のような状態にも・・・。次第に他者とのかかわりがめんどうになり、自分の殻に閉じこもり、引きこもりのような状態になることも心配です。しかし、便利な世の中ですから、一人で部屋にこもっても、それでも生活できます。
こんな時代だからこそ、大人の側が、待つことを教える、体験させる必要があると思います。(例えば、おいしい食べものを食べるために、素材を手に入れ、手間隙かけて調理するという作業を親子で行う、あえて不便な環境に身をおいて不自由さを味わうという体験をするなど)