学校日記

朝会です!

公開日
2011/12/05
更新日
2011/12/05

校長メッセージ

 12月5日(月)、朝会がありました。表彰伝達の後、校長先生の話を聞きました。校長先生の話の一部を紹介します。
 12月4日(日)から10日(土)までの一週間を「人権週間」とよんでいます。きょうは「人権」についてお話しします。
 「人権」とは何でしょうか。「人権」とはだれもがみんな持っている「幸せに生きる権利」のことです。私たちはみんなの人権を絶対に守らなければなりません。では人権を守るためにはどうすればよいのでしょうか。
 大切なことを言います。人権を守るためには、どんなことがあっても絶対に人を差別してはいけないということです。
 みなさんは盲導犬という犬を知っていますか。盲導犬とは目の不自由な人をサポートする犬のことです。今からある小学生の作文を紹介します。
 私は今,将来、盲導犬になる子犬を育てるボランティアをしています。生まれて2ヵ月の子犬を預かり,その子犬が一歳の誕生日を迎えるまで世話をするのがボランティアの役目です。初めて子犬を手渡された時は不安でドキドキしましたが,子犬はすぐに私の腕の中で眠ってしまいました。初めて会った私のことを信頼して,安心しきった寝顔で眠っている姿は本当に可愛らしかったです。
 ラブラドールの子犬はとてもやんちゃで,私の家にやって来たその日からいたずらばかりしていましたが,しかられてもクヨクヨせず,どんな相手にもフレンドリーに近づいていく姿から,私は明るく前向きに生きることを教わりました。
 子犬たちと過ごした日々は私にとって一番の宝物です。あっという間に一歳の誕生日がやって来てしまいました。誕生日が悲しいという経験は初めてでした。いよいよ明日、盲導犬の訓練所に帰るという日、私たちは、長い長い散歩をして最後のお別れをしました。
「今までありがとう。」
そう言った私のことを不思議そうに見ていた子犬の顔が今も目に焼きついています。お別れするのは本当につらいけれど、私が涙を見せたら子犬が心配するので頑張って笑顔で見送りました。私の家で育てた子犬は現在盲導犬になって頑張っています。
 このボランティアを通して私は多くのことを学びました。まず盲導犬の役割ですが,これは単に目の不自由な人が一人でどこへでも行けるようにするためだけではありません。視覚障がいのある人にとって,他の人の手をわずらわせるのはとてもつらいことなのだそうです。たとえ家族に対してでも「迷惑をかけるのではないか」と思って我慢することが多く,「私なんかいない方がいいんじゃないか」と考えてしまうこともあるそうです。その失われそうになった自尊心を取り戻す手助けをするのが盲導犬の役目なのです。
 犬はパートナーのことを大好きになるので「自分は他者からこんなにも大好きになってもらえる存在なんだ」と気づいて自信を取り戻し,新しい一歩を踏み出せるようになるのだそうです。
 犬は決して差別をしません。健康な人にも障がいのある人にも,お金持ちにも貧しい人にも,権力のある人にもない人にも、全く同じように接してくれます。そんな犬たちと一緒に過ごすことで,自信をなくした人たちも自分のことをかけがえのない大切な存在であると思えるようになるのです。
 私たち人間も,差別のない社会をつくらなければなりません。一人一人が相手を大切に思う心を忘れなければ,この社会はもっと住み良い場所になるはずです。私はこのボランティアを通して学んだことを生かして,これからも一層努力していきたいと思います。
 すばらしい作文ですね。