「人権」について考えよう
- 公開日
- 2010/12/16
- 更新日
- 2010/12/16
校長メッセージ
12月6日(月)朝会での校長先生の話の一部を紹介します。
12月4日(土)から10日(金)までの一週間を「人権週間」とよんでいます。きょうは「人権」についてお話しします。「人権」とは何でしょうか。「人権」とはだれもがみんな持っている「幸せに生きる権利」のことです。
ある中学生の作文を紹介します。全部読むと長くなってしまうので一部を紹介します。
私の父は,ニューヨーク生まれのアメリカ人です。女の子は父親に似ると言われますが,私もそうで,母親よりも父親の方に髪の毛も肌の色もよく似ています。そのために私はいやな思い,悲しい思いをずっとしてきました。
初めて自分がみんなとちがうんだと思ったのは幼稚園に入ってすぐのことでした。同じ組の女の子たちが楽しそうに遊んでいたので,「まぜて!」と,声をかけると一人の子が言いました。
「このグループは,日本人で髪がまっすぐな人しか入れないの。リコちゃんは髪がチリチリだからダメ!」と。私はとても悲しくなりました。
中学校に入って間もないころでした。ある男の子がいきなり私に向かって言いました。
「おまえ,風呂に入っているのか? 黒いぞ。」
私はとてもはずかしくなりました。そしていかりや悲しみがこみあげてきました。私は相手の目を見て,静かに自分の傷ついた気持ちを伝えました。彼は私に向かってこう言いました。
「ごめん,わるかった。」
彼は人を傷つけるということが自分の想像以上に重く,そしてひどいことだと気付いたようでした。
差別やいじめをしている側からすれば,それを冗談だという人も多くいます。まわりの人も冗談や遊びととらえてしまうことも多いのです。でも実際に,差別やいじめをされている方は、みんなが思うよりはるかに傷ついているということ,つらいということ,そして悲しいということを私はたくさんの人に知ってほしいのです。
私たちはみんな同じ人間です。心を持った人間です。相手の気持ちを思いやり,相手の立場になって考えれば,いじめや差別は絶対になくなると思います。私は世界から差別やいじめがなくなるように強い心を持って,まずは自分から立ち向かっていきたいと思います。
みなさんはこの作文を聞いて、どんなことを思いましたか?
みなさんの中に、ついつい人にいやな思いをさせるような言葉を言っている人はいませんか?
もし自分が言われたらどんな気持ちになるのか、自分が言われていやなことは絶対に相手にも言わない。もし自分がされていやなことは絶対に相手にもやらない。
みなさんはきっと、いつも相手のことを考えられる、そんな思いやりのある人ばかりだと信じています。