学校日記

いただきます ごちそうさま

公開日
2006/06/15
更新日
2006/06/15

校長メッセージ

いただきます」と「ごちそうさま」

 命の大切さを、食事の面から考えてみます。人間は昔から自然の恵みを食して生きてきました。自然の恵みとは地球上の動植物の生命と言い換えてもよいかもしれません。これを食すとは、その命を奪うことになります。この行為は、どの生き物にもほぼ共通の行為ですが、実は命を奪うというより、次の命に生かされ、つながっていくという意味を持ちます。だから、私たちの命は他の動植物によって支えられていることになります。小さな動植物にも命があり、その命をもらって生きている私たちは当然そのことに感謝するとともに、引き継いだ命を大切にする必要があります。
 ただ、最近の食材は原形がわかりにくく、加工されたものも多くなり、「命あるものを食している」という実感はなかなか持てません。しかし、日本にはとてもすばらしいあいさつの言葉があります。それは「いただきます」と「ごちそうさま」です。「いただきます」は「私の命のために自然の恵み−動植物の命−をいただきます」の意味。「ごちそうさま」は「馳走(ちそう)−走り回る−」の意味で、客人を迎えるために走り回って獲物を集め、もてなすことに対するお礼の意味をこめた言葉です。
 日本独特の表現方法であるこの二つの言葉の中には、自然の恵みへの感謝と口に入るまでに関わったすべての人たちへの感謝の気持ちや、食事への敬虔な気持ちなどが集約されていると思います。すばらしい日本の食文化を象徴するこの言葉の意味を理解して使用することは大切なことではないでしょうか。