学校日記

平成28年度第39回卒業証書授与式 式辞

公開日
2017/03/03
更新日
2017/03/03

校長メッセージ

第39回卒業証書授与式  式辞          2017.3.3     

校庭や周辺の木々の芽のふくらみや、小鳥の囀りから、春の息吹を感じる季節となりました。この佳き日に、多数のご来賓・保護者の皆様にご臨席賜り、卒業証書授与式が挙行できますことは、この上ない喜びです。高い所からではございますが、深く感謝申し上げます。

卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。心より祝福いたします。この佳き日を多くの方々と一緒にお祝いできることを本当にうれしく感じています。卒業証書を手にした今、どのような光景が思い出されていますか。

一人一人の脳裏に浮かぶ光景は違っても、一緒に高森台中学校で過ごした時間や日々は、みんなの心に、そして、高森台中学校に、そのときの光や音とともに、彩り豊かに、確かな記憶として、かけがえのないものとして刻みこまれています。

格別、最上級生としての一年間は、皆さんにとって、特に印象深く心に刻みこまれているのではないでしょうか。毎日の元気な挨拶、集中と静寂を共有する朝読書。友達や仲間との楽しく過ごす休み時間や給食の時間。

そして、先生や仲間との真剣でやる気溢れる毎日の授業や部活動。さらに、体育大会や高森祭で思う存分発揮された、楽しく、本気で、最後までみんなで一緒にやり遂げる姿勢と行動は、まさに生徒会のテーマ「新星」のごとく、自ら輝きを増し、高森台中学校全体を明るく輝かせるものでした。

そしてこれらは、みんなで取り組んできた、「凡事徹底プラス」や「チーム高森台中」ということを含め、後輩の素晴らしい見本であり、私たち全員の誇りでした。卒業生の皆さんの、姿勢と行動に心より感謝しています。 

さて、高森台中学校を巣立つ皆さんと共有したいことがあります。「自ら挑戦し続ける」ということについてです。

本年度、ノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典東京工業大学栄誉教授は次のように述べています。「人がまだやっていないことに挑戦する。そして、自分が心底面白いと思えることをやって欲しい。自分にとって魅力的で面白いものでさえあれば、苦しさは必ず乗り越えることができる。一度きりの人生。傍から見れば、些細なことでも構わない。是非とも、苦しさの先に待っている成功の喜びというものを味わって欲しい。」

この言葉からは、自分の信じることに挑戦すること、そして、決してあきらめずに、ねばり強く取り組むことへの熱いメッセージが伝わってきます。

皆さんがこれから生きる未来はどのような世の中になっているでしょう。人工知能AIの発達などで、便利で暮らしやすい社会でしょうか。それとも人が人として益々輝く社会でしょうか。今後どのような時代になろうとも、変わることがないのは、努力を続けることの大切さです。

私たちは日々努力を重ね、挑戦していますが、何に挑戦しているのでしょうか。また、何故努力を続けるのでしょう。

目標となる舞台や取り組む内容は人それぞれです。例えば、スポーツで三年後に控えた東京オリンピックなどの世界規模の大会を目指す人がいるかもしれません。
また、大好きなデザインやファッションの分野で日々取り組む、新薬や工業製品の開発など研究に没頭したりする人もいるかもしれません。そこには、競い合うライバルや、一緒に高め合い、励まし合う仲間がいます。このような目標やまわりの人たちの存在は欠かせません。

繰り返しになりますが、では、私たちは何に挑戦しているのでしょうか。また、何故努力を続けるのでしょう。ここに一つの答えがあります。私たちは、常に自分に挑戦し続けているのです。そして、自分にとって魅力があり、大好きなことだから努力を続けることができるのです。まさに、自分のこと「我が事」だからなのです。

昨日までの自分、これまでの自分よりも、少しでも強くなりたい、成長したい、よりよくなりたい。そして、自分が大好きなことだから、魅力的で大事なことだから挑戦し続ける、努力を続ける。流行に流されることなく、人と比べることなく、昨日の自分を越えるようにあきらめずに取り組む。

失敗や、思い通りにいかないことはたくさんあります。それでも、自分を高めるために、粘り強く決してあきらめないで努力を続ける。これこそが自ら挑戦し続ける価値ある姿勢と行動です。

そのためにも興味や関心を持って学び続けましょう。そして、人との出会いを大切にしましょう。

広い空のように、無限の可能性を持ち、未来へ羽ばたいていく卒業生の皆さんが、高森台中学校での輝ける日々に、自信と誇りを持ち、まわりの人の存在と、感謝の気持ちを忘れずに、自分に挑戦し続けながら、我が道を切り拓いていくことを大いに期待しています。

結びになりましたが、保護者の皆様方、お子様のご卒業本当におめでとうこざいます。小学校時代を含めて九年間の義務教育の課程を無事修了し、立派に成長されましたお子様の姿を前にされ、様々な思い出が駆けめぐっていることと推察いたします。

お子様共々、本日、こうして一つの節目を乗り越えられましたことに、重ねてお祝い申し上げます。また、これまで本校に寄せられましたご厚情に感謝致しますと共に、これからも地域の学校としてご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

以上、卒業生の皆さんの前途に、幸多からんことを心より祈念して、式辞といたします。

平成29年3月3日
                    春日井市立高森台中学校長 
                            田中雅也