道徳の研究授業から
- 公開日
- 2010/02/08
- 更新日
- 2010/02/08
校長室から
コミュニケーション能力
先週、1年生で道徳の研究授業を行いました。適切な言動について考えさせる「アスカの決断」という情報モラル関連の話を資料として使用しました。携帯電話やメールは自分の目の前に伝える相手がいません。その相手の表情や反応も見ないで、一方的にこちらの伝えたいことだけを伝えることになりがちです。そんなメールによる友人間のトラブルを扱った内容です。
この授業を参観して、以下のような感想を持ちました。
コミュニケーションツールとしての携帯電話の是非や、その使い方を考えることも大切です。しかし、本質的な問題は基本となるコミュニケーション能力をどう育成するのかにあるのかもしれません。
社会生活にもっとも必要なコミュニケーション能力は、端的にいえば、自分の内面を外に発信する力と他者の発信を受信する力。基本的には義務教育9年間の国語で培う「表現力」と「理解力」を意味します。コミュニケーションは双方向、自分と他者との相互交流が原則です。最終的には、自分の言葉で自分の思いを伝える力を身につけ、その力によって他者と関わり合い、望ましい人間関係をつくることが重要です。さらに、他者を認め、自分を認めることで、自制心や自立心、ストレスへの対応能力などを身につけることにまでつなげる必要があります。
また、丁寧な言葉で話をすることも大切なことだと思います。感情もあらわに、思ったことをそのまま相手にぶつけることを避ける効果が期待できます。そのまま思いをぶつけると、両者が感情的対立に陥ることが考えられます。丁寧な言葉で話すためには、一度自分の頭の中で話す内容を整理しなければならないため、落ち着いて自分の主張や考えを表すという習慣が身につきます。すぐに「キレる」子どもたちの多くは「表現力」と「理解力」の育成が十分でないのかもしれません。
私たち教師は、国語やその他の教科指導が道徳や心の育成にも大きく関与することを意識して、意図的に授業を行わなければならないと思っています。