卒業式 式辞
- 公開日
- 2010/03/08
- 更新日
- 2010/03/08
校長室から
平成21年度 卒業証書授与式 校長式辞
春風に吹き出し笑う花もがな
この芭蕉の句に詠まれたように、花の開花を誘うような春の息吹が校庭のあちこちに感じられるこのよき日に、平成二十一年度卒業証書授与式を迎えることができました。
本日は、ご多用の中、ご来賓の皆様には、早朝よりご臨席いただきまして誠にありがとうございます。高いところからではありますが、お礼申し上げます。
さて、百五〇名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。今、あなた方一人一人に卒業証書を手渡しました。その一枚の紙の中には実に様々なものが宿されています。小学校から通算しての義務教育九年間。その長い年月、元気に登校し、基礎・基本の学習を身につけた皆さんの努力。それを絶えず見守り、世話をしてくださったご両親の愛情。そして皆さんの成長のために、ある時は厳しく、ある時は優しく導いてくださった先生方の情熱、安全に登下校できるようにと見守ってくれた地域の皆様方の思いなど。多くの人達の陰のご苦労の積み重ねによってはじめて手にすることができた卒業証書なのです。感謝の気持ちを忘れないでください。
皆さんは、この一年間、最高学年としてリーダーシップを発揮し、在校生のよき手本となりました。また、学校の顔として対外行事にも出場し、全力を尽くし、活躍してくれました。その活動ぶりは、在校生にしっかりと受け継がれて行くことでしょう。
在校生の皆さん。皆さんは、先輩が築いてくださった輝かしい伝統とよき校風をしっかりと受け継ぎ、さらに発展させるよう努力してください。
卒業の門出に当たり、みなさんにひとつお話をします。知っている人も多いと思いますが、ミスターチルドレンの「終わりなき旅」という曲があります。卒業というものは確かにゴールではありますが、新しいスタートでもあります。まさに「終わりなき旅」です。一〇年ほど前に発表されたこの曲の中には心にしみる言葉がたくさんあります。卒業するあなた方に贈る話として、本日この場で、その歌詞を紹介します。
「終わりなき旅」 櫻井和寿
(歌詞省略)
このような歌詞です。この歌詞の中から皆さんに、三つのフレーズを贈りたいと思います。
一つ目
「高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいもんな
まだ限界だなんて認めちゃいないさ」
人間に限界があるとすれば、それはあきらめたときです。困難な課題に直面したとき、これは無理だとすぐにあきらめるのではなく、やれるかもしれない、いややれる、やってやると、自分の力を信じて、工夫と努力を重ね、それを解決する気力を奮い立たせてください。
二つ目
「誰の真似もすんな 君は君でいい
生きる為のレシピなんてない」
義務教育を終え、これからは自分で選んだそれぞれの道を歩んでいくのです。マニュアルどおり、型どおりに進めるものではありません。それぞれの人生の主役それは自分です。みんなちがってみんないいのです。
三つ目
「いいことばかりでは無いさ
でも次の扉をノックしよう
もっと素晴らしいはずの自分を探して」
人生には失敗や挫折はつきものです。しかし、そこで立ち止まるのではなく、自分の可能性を信じて、もう一度前に進んでください。未来は無限の可能性を秘めています。失敗から学ぶことは山のようにあるはずです。失敗をゴールと見るのではなく、新たなスタートと考えればいいのです。
以上、三つのフレーズを取り上げました。一つでもいいですから、自分の胸に留めておいてください。この曲には、そのほかにも力を与えてくれるフレーズがたくさんあります。つらいとき、迷ったとき、少し落ち込んだ気分になったとき、ぜひこの曲を思い出して、気に入ったフレーズを口ずさんでみてください。
さて、最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。たくましく成長されたお子様の晴れ姿をご覧になり、さぞお喜びのことと拝察申し上げます。今日まで学校にお寄せいただきました温かいご支援ご協力に対しまして、心から感謝申し上げます。
また、地域の皆様方、日ごろから鷹来中学校を地域の学校として、ご支援いただきありがとうございます。卒業生は地域の未来を担っていく大切な人材、地域の宝だと思います。十五歳、まだまだ人間としては未熟ですので、さまざまな機会に、社会で共生していくためのルールやマナーなどご指導ください。そして、今後も在校生同様、温かい見守りや声掛けをお願いいたします。
以上、卒業生の皆さんの限りない前途を祝し、式辞といたします。
平成二十二年三月八日
春日井市立鷹来中学校長 伊藤 孝之