学校日記

2月21日 朝会(動画配信分)

公開日
2022/02/21
更新日
2022/02/21

校長メッセージ

2月21日朝会 オンライン

<動画配信分>
坂中生の皆さん、おはようございます。
本年度3学年での最後の朝会。つまり全校で一緒の時間と場面を共有する最後の場面の一つです。

そんな最後の場で共有したいのは「学び・学ぶ」に関することです。

皆さんは「何のために勉強・学習をしますか」と質問されたらどのように答えますか。
丁度1・2年生は第3回テストが終わったばかり、3年生にとってはまさに進路・受検の真っ最中ですので、「テストでよい点・よい成績を取るため」とか「志望校に入るため」などの答えも大いにあるかもしれせんね。
一昨年8月に2・3年生の皆さんには同じ質問をしたので、覚えているかもしれませんが、
私の答えは『「自分がよりよく生きていくため」「まわりの人とよりよく生きていくため」に勉強・学習する』です。それは今も変わりありません。私の答えを簡単に説明します。
まず、「自分がよりよく生きていくために学ぶ・勉強する」についてです。
自分の好きなことや得意なことに続けて取り組んだり、生きていく上での問題や困難が生じたときにそれを解決したり乗り越えたりして豊かに生きるために、大人になっても、さらにその後も生涯にわたって学ぶ・勉強する、学び続けるという考え方です。
次に「まわりの人とよりよく生きるために学ぶ・勉強する」についてです。
まわりの人とは身近な人かもしれませんし、もしかしたら、遠く離れた地球の裏側の人かもしれません。自分が学んだり勉強したりしたことが、まわりの人たちの役になるかもしれない、そのために学び続けるということです。例えば、自然や科学を研究して、人の命を救ったり、世の中を便利にしたりすることにつながるかもしれませ。また、絵や文章、歌声が、みんなを幸せな気分にできるかもしれません。
つまり、自分の幸せのため、みんなの幸せのために学ぶ・勉強する、学び続ける、という考え方です。

学ぶことや勉強は、自分のことだから、自分の好き勝手でよいということではないので、「これ、勉強してもしょうがない」「自分には関係ない」ということにはなりません。途中で勉強を投げ出さない、諦めないなど、決して学ぶことや勉強から背を向けません。
わからなくても、自分で粘り強く努力をしたり、まわりの人と教え合ったりしながら、みんなで高め合っていく。互いの好きなことや得意を生かし合う。そんな姿勢が大事だと考えています。だからこそ、日常の普段のいつもの授業や学習をおろそかにしないで、ちゃんと取り組むことが大切なのだと思います。テストも大事、提出物も大事ですが、テストや提出物のために勉強するわけではないと言うことです。
さらに、今、そしてこれから求められる学び方は2つあります。1つは、自分で選んだり決めたりしながら、「主体的に学び続ける」こと、もう1つは、習得した知識や技能をつかって、つなげて考えて問題を解決したり、考えを伝え合うなど、どんどん外やまわりに表現し、「アウトプットしていくこと」です。どちらも共通しているのは、言われて勉強するとか、勉強することがすべて決められているのではなく、いくつかの中から自分で選択してみたり、自分の考えをどんどん発信し合ってよりより解決方法を見つけ出したりする学び方なのです。そして、学びは学校だけではありません。むしろその先こそ多く学びながら課題を解決していく、つまり学び続けることが大事なのです。

では、なぜ、学び続けるのでしょうか。私たちは、中学校を卒業した後も大人になった後も学び続けます。先ほどのなぜ学ぶのか、誰のために学ぶのかとつなげて考えてみるよいかもしれません。

ここで、先人の言葉を参考にして考えてみましょう。
佐藤一斎(さとういっさい)という、幕末の儒学者の言葉です。愛知県の隣の岐阜県恵那市岩村出身の江戸時代、幕末の儒学者です。

こういう言葉です。

『少(わか)くして学べば、則(すなわ)ち壮にして為(な)すこと有り。壮にして学べば、則ち老いて衰(おとろ)えず。老(お)いて学べば、則ち死して朽(く)ちず。』

古典を勉強してきている3年生の皆さんは、意味がおおよそ予想できるのではないでしょうか。

『少(わか)くして学べば壮にして為すあり。』とは、子どものころからしっかり勉強しておけば、大人になって世のため、人のため に役に立つ人間になる。
『壮にして学べば老いて衰えず。』とは、大人 になってからも更(さら)に学び続ければ、年をとっても衰えない。いつまでも活き活きとしていられる。
『老いて学べば死して朽ちず。』とは、年をとってからも学ぶことをやめなければ、益々学びが円熟し、高い見識を持って生活でき、死んだ後も自分の業績は残り次の人々にも引き継が れていく。
そんな意味です。皆さんはどう受け止めましたか。

人生100年時代、予測困難な時代といわれています。一方で、AIが人の代わりに莫大な情報を処理してデータや知識を提供してくれる時代になってきました。事実、何でもPCやスマホで検索すれば、それなりの答えが見つかります。でも、AIは相手の表情を見て感じたり、心を揺さぶるような体験を提供したりしてくれることはありません。これからは、これまでと全く違った課題が発生するかもしれませんし、豊かで明るい未来かもしれません。そんな時代ですが、それぞれの年代で、私たちはなぜ学ぶのか、そして、学び続けるのか、考えていくことはとても大切なことです。きっといろいろな考え・答えがあるはずです。1・2年生の人は、定期テストが終わった後の今、そして、3年生の皆さんは、卒業、進路の区切りが付いた節目の機会に、自分をよく見つめて振り返りつつ、是非、学ぶ意味・勉強する目的、そして学び続けることについてじっくり考えてみてください。大事なキーワードです。  

以上でお話を終わります。