第74回卒業証書授与式 式辞
- 公開日
- 2021/03/03
- 更新日
- 2021/03/03
校長メッセージ
式辞
春の息吹を感じる季節となりました。
卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。
心より祝福いたします。
この佳き日に、保護者の皆様にご臨席賜り、
卒業証書授与式が挙行できますことは、この上ない喜びです。
高い所からではございますが、深く感謝申し上げます。
卒業証書を手にした今、いろいろな思い出が脳裏に浮かんでいると思います。
思い浮かぶことは一人一人違うかもしれませんが、
卒業生の皆さん全員に共通しているのは、
坂中の校訓「すべての最善を」のもと、
平成から令和の時代を経ながら、
入学から今日まで過ごした日々で、
学び経験したことが積み重ねってこの卒業に繋がっているということです。
格別、最高学年として過ごしたこの一年間。
コロナ禍での、これまで誰も経験したことがない新しい日常・学校生活は、本当に大変な毎日でした。
そのような中でしたが「学校祭」や「青春(アオハル)〜最高の思い出を友達と〜」で卒業生の皆さんが見せてくれた、
できることは何かと相談・工夫しながら、真剣に取り組む姿、
そして、日ごろから笑顔で仲間と一緒に楽しむ姿は、
在校生にとって、よき見本であり、
坂中の一員として安心して学校生活を送る大きな心の支えとなりました。
皆さんは坂中にとっての誇りです。
一方で、それぞれには少なからず悩みや不安はあったことでしょう。コロナ対応については、未だに解決や解消される見通しがなかなか持てないままです。
しかし、ここまで大きくくじけることなく、歩んでこられたのは、一緒に思いを共有してきた学年やクラスの仲間やまわりの人たちの存在のおかげであることに、誰もが強く同意できるはずです。
そのような皆さんと、卒業にあたり共有したいことがあります。
「未来への挑戦」そして「挑戦し続けること」「学び続けること」についてです。
私たち人類は、これまでも大きな災害や世界的に大流行した病気、そして争いや戦禍など含めて、命や安全が脅かされるような幾多の困難や試練に遭遇しながらも、
その都度時間をかけて乗り越えてきました。
計り知れない努力の積み重ねがあって、今日の日常や暮らしがあります。この度の大きな試練も同じように乗り越えていかねばなりません。
そして、その後も、困難や試練が、私たちの前に立ちはだかってくることでしょう。
では、どのようにして、それらを解決・克服して乗り越えていくのでしょうか。
コロナ対応を例にするなら、ワクチン開発をはじめとする医学・医療の進歩や充実でしょうか。
それとも、多くの人たちを救う仕組みや制度でしょうか。
未だ明確な答えはありませんし、正解があるかどうかも定かではありません。
このように、今後の課題や試練も、すぐに解決できることばかりか、答えも一つとは限らず、様々な角度・分野からのアプローチやその組み合わせが必要かもしれません。
しかし、はっきりしているのは、いかなる状況になろうと、未来を創り出すのは自分たちであるということです。
誰かが創ってくれるのではく、これからの世の中を創っていくのは、当事者である私たちなのです。
そして、当事者である私たちがすべきことの一つが、「挑戦し続ける」ことです。
互いのよさや得意なことで力を合わせ、それぞれが挑戦し続けることで、大きな課題の解決や、困難を乗り越えることにつながっていきます。
それどころか、一人一人の夢や希望、大きな目標の実現も、
挑戦し続けること、つまり、決してあきらめずに、ねばり強く行動を重なることでしか成し得ません。
小さな目標を乗り越えていくことを繰り返して、ときには遠回りや後戻りをしながら地力をつけつつ、挑み続けるのです。
そのために必要なのが、「学び続けること」です。
学びは課題の解決だけでなく、楽しさや喜びにつながります。
自分の大好きなことや得意などをはじめ、
新たな時代を生き抜くための術を身に付けるために、
歴史や過去、そして、蓄積されてきた叡智とともに、
考え方や方法を学び、その学びをもとに新たに組み合わせるなど、その時々の状況や課題に応じて学び続けましょう。
学べることの喜びや楽しさが実感できれば
生涯にわたって学び続けることができるはずです。
卒業後から未来の日々に続く道は、平坦な道ばかりではありません。しかし、未来の日々のように、無限の可能性を持つ卒業生の皆さん。晴れ晴れとした顔で視線を上げて胸を張ってそれぞれの道を歩んでいってください。
そして、本校での学びと経験を礎に、
まわりの人とのつながり
思いやりの心と感謝を忘れることなく、
若くしなやかな発想と主体性を持ってねばり強く学び続けながら
未来に挑戦していく皆さんの健闘を心より祈念します。
結びになりましたが、
保護者の皆様方、お子様のご卒業、本当におめでとうこざいます。小学校時代を含めて九年間の義務教育の課程を無事修了され、立派に成長されましたお子様の姿を前に、感慨深く、そして様々な思い出が駆けめぐっていることと推察いたします。
お子様共々、本日、こうして一つの節目を乗り越えられましたことに、重ねてお祝い申し上げます。
また、これまで本校に寄せられましたご厚情に感謝致しますとともに、これからも地域の学校としてご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上、卒業生の皆さんの前途に、幸多からんことを
心より祈念して、式辞といたします。
令和三年 三月三日
春日井市立坂下中学校長
田中雅也