8月11日 象のインディラが亡くなった日
- 公開日
- 2013/08/11
- 更新日
- 2013/08/11
お知らせ
1983(昭和58)年8月11日、戦後初の動物大使としてインドから贈られた象のインディラが上野動物園でなくなりました。推定49歳でした。インディラについてお話しします。
太平洋戦争が激しさを増してきた1943(昭和18)年8月、日本軍は上野動物園にいる猛獣を殺すように命令します。アメリカ軍の空襲で、危険な動物が逃げ出したら困るからです。動物園の職員は、今まで大事に飼育してきたライオンやトラなど24頭の動物を泣きながら処分しました。その中に象もいました。
戦後の動物園は、ブタなどが飼われている家畜小屋のようでした。上野動物園がある東京台東区の子供議会は、「動物園に象がほしい。東山動物園から借りてこよう」と決めます。そのころ、名古屋の東山には2頭の象がいました。
しかし、2頭の象は高齢で、東京に運ぶことは不可能でした。そこで東山の象を見るための列車を走らせよう、ということになります。これが「象列車」です。たくさんの子どもたちが象を見に東山に行きます。でも、子供議会の本当の願いは、上野に象を呼ぶことです。
この子どもたちの願いは、インドの貿易商を通じてインドのネール首相の耳に入ります。1949(昭和24)年8月25日、象のインディラが上野動物園にやってきました。写真は、1957(昭和32)年10月8日、来日したネール首相と娘インディラ・ガンジーさんが、上野動物園でインディラと8年ぶりに対面した時の様子です。ネール首相は、娘さんの名前を象につけたのです。(共同通信から引用)