学校日記

卒業式 その4

公開日
2017/03/18
更新日
2017/03/18

今日の学校

 その4は、式辞、来賓あいさつ・紹介です。早朝より多くのご来賓にご列席いただきました。ありがとうございました。
 以下は、式辞です。

平成28年度卒業証書授与式  学校長式辞
 
 最近、日差しはどんどん強くなってきました。しかし、この1週間は例年の3月に比べ、寒さが厳しく、その分春の訪れが待ち遠しいものです。ただ、桜のつぼみはふくらみはじめて、開花まではあと10日ほどでしょう。このような春間近のよき日に、平成28年度、本校にとって節目の第10回卒業証書授与式を挙行することができました。本日は、ご多用の中、ご来賓の皆様、そして保護者の皆様には、早朝よりご臨席賜りまして誠にありがとうございます。高いところからではありますが、厚くお礼申し上げます。
 卒業証書を手にした133名の第10回卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。満開の桜に迎えられた入学式から2000日以上。多くのことを学び、からだも心も大きく成長しました。特にこの一年は出川小のリーダーとして、しっかり活躍してくれました。ありがとう。
 さて、私がみなさんと共に過ごしたのはたった2年間、しかし、先日もお話をしたように、実はみなさんの姿を1年生のころから何度も見てきました。本校はこの6年間、つまりみなさんが1年生の時からわかりやすい授業をめざしていろいろな取り組みをしてきました。実物投影機を使って自分のノートを大きく映して発表する姿、授業の最後にちょっと迷いながらも「振り返り」を一生懸命にノートに書く姿、タブレットに自分の考えを入力する姿など、立派に成長をして本校を巣立って行くみなさんを、たいへん誇りに思います。
 この成長は、みなさん一人一人の小さな努力の積み重ねの成果ですが、自分の力だけでできたわけではありません。絶えず見守り、育ててくださったお父さん・お母さん、家族、また、安全に登校できるようにと見守って頂いた地域のみなさんなど、多くの方々の「おかげ」であることを忘れないでください。
 さて、次は中学校たった3年間。ですが、とても濃い3年間です。その時間をすばらしいものにするために心がけてほしいこと、それは、よく言ってきたことですが「プラス思考」。ことばのとおり物事をプラスの方向に進ませるための考え方。楽天的ということではなく、物事や自分を一歩でも前に進ませるための考え方です。
 「成功した人は失敗を言わない。成功した人は人より何倍も失敗していると思う。失敗してもいいからやってみようと。1回2回失敗したからってどうってことない、若いうちは」これは、昨年秋にノーベル賞を受賞された大村博士の言葉です。少しの失敗を恐れずに試行錯誤をする中で大きなものをつかもうとすることは、とても大切なことと思います。
 さて、これから先の世界のことを少し考えてみましょう。最近は、「第四次産業革命」と言われています。車の自動運転のこと、ロボットが案内をするホテルのことなど、「人工知能」の話題が新聞に載らない日はない最近です。
 インターネットを経由して届いた膨大なデータを人工知能が分析・学習して、人間を超える高度な判断を瞬時にしていくことが可能になりました。しかも、この情報を複雑な動きができるロボットの頭脳に使うこともできるようになり、これまで実現できないと思われていた世界が広がりはじめています。自動運転もその一つです。
 また、皆さんが社会の中心として活躍する30年後には、人工知能が私たちの能力を上回るようになり、多くの職業が変わると言われています。しかし、人工知能がいかにすぐれたものになっても、人間らしい営みは、人工知能にはできません。
 こんな時代だからこそ、まずは基礎になる学び方をきちんと身につけ、そして、その次に受け身ではなく、失敗をおそれずにプラス思考でチャレンジです。先日、みなさんにプログラミングの体験をしてもらいました。みなさんは、自分の考えた動きをさせるために、いろいろと試していましたね。これと同じです。失敗をおそれて手を出さないのではなく、プラス思考で「どうしたらできるか」を考えて、できる道を探すこと。うまくできなくても、「よく考え前向きに努力できた」ことをよろこび、次にやるべきことを考えて行動することです。自分で考え、自分で一歩を出し、小さくても「最善の努力」を積み重ねていくことで、知らず知らずに大きな飛躍を手にすることができるものです。
 さて、在校生の皆さん。今度は皆さんの出番です。先輩たちのがんばりをしっかりと受け継ぎ、出川小をもっともっとすばらしい学校へ発展させることを約束しましょう。そのためには、みなさんもプラス思考で、小さな努力の積み重ねです。期待しています。
 最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。六年前の春の真新しいランドセル姿を思い出されている方もあるかと思います。東日本大震災直後の国内が混乱した中でのご入学で、先のことを心配されながらであったかもしれません。しかし、この六年間で立派に成長された今日のお子様の姿をご覧になられ、さぞお喜びのことと思います。おめでとうございます。また、今日まで本校にお寄せいただきました温かいご支援・ご協力に対しまして、職員一同、心から感謝と御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。今後も本校をあたたかく見守って頂き、側面からのご協力をよろしくお願い申し上げます。
 さあ、10回生の皆さん、「みらい」へ向けて出発です。お互いに「いいところ」を見つけ合っていく「こころ」を大切にしてください。そのために一番大切なのは「いのち」、健康な心とからだです。みなさんの新しい世界でのさらなる飛躍を心から期待し、式辞といたします。