<校長室の窓> 中村勘三郎さんから学ぶ
- 公開日
- 2018/01/12
- 更新日
- 2018/01/12
勝川小学校
勝川小学校 高学年の皆さんへ
今日紹介する18代目中村勘三郎(なかむらかんざぶろう)さんは、
歌舞伎の世界で活躍されている6代目中村勘九郎さんのお父さんです。
勘三郎さんは、2012年に57歳という若さで亡くなり、
各界(かっかい)や彼に親しみを持っていた多くの人たちは、
その「早すぎる別れ」に肩(かた)を落としました。
勘三郎さんは、
生前に、歌舞伎をたくさんの人に知ってもらい楽しんでもらおうと、
シアターコクーンでコクーン歌舞伎として新しい演出を取り入れたり、
アメリカのニューヨークで「平成中村座」を上演するなど、
当時のニューヨークタイムズ紙に、
「大作映画よりもはるかエキサイティングでおもしろい!」
と絶賛(ぜっさん)されるなど、
常(つね)に、新しい歌舞伎のあり方にチャレンジしていました。
ある日、そんな活動をする勘三郎さんの取材に来た記者が、
「勘三郎さんの演技は型破(かたやぶ)りですね!」
と語りかけたところ、
勘三郎さんは、
「なに言ってやんでい!」
「型破りっていうのはなあ、型があるから型破り。」
「型が無ければ、そいつは単なる形無しなんだよ!」
と話したそうです。
この話を聞いた時に、「なるほど!」と私は何度も頷いてしまいました。
「型があるから型破りができる」「型が無ければ単なる形無し」
書道や絵画などは、その良い例ではないでしょうか。
皆さんが練習している習いごとも、そうではないですか。
私は次のように解釈(かいしゃく)しています。
何事も基礎・基本が大切で、これを「型」という。
そして練習を重ねて、
この型をしっかりと身に着けることは、とても大切なこと。
さらに、型を意識して大切にしながらも、
その型を超える発想を持つことが、これからの時代に求められている。
型を超えなければ、新しいチャンスは来ない。
型を超えた時、「自分らしさ」が生まれる。
おりしも、ある携帯電話電話会社のCMが注目を集めています。
いいじゃないですか
常識はずれでも、いいじゃないですか
チャレンジしたって、いいじゃないですか
ひとはひとで、いいじゃないですか
自分は自分で、いいじゃないですか
もっと平和で、いいじゃないですか
勘三郎さんも、天国でこの歌を歌っているかもしれませんね。
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(写真出典 Yahoo!画像)