23年度入学式 学校長式辞
- 公開日
- 2011/04/07
- 更新日
- 2011/04/07
学校行事
136名の新1年生の皆さん、石尾台中学校への入学、本当におめでとうございます。今年の桜は、開花が遅くなるのではと心配していましたが、皆さんの入学に合わせるかのように一斉に咲き始め、日に日に美しさを増しています。この入学式の会場にも、桜の花に負けないくらいの、初々しい顔が満ち溢れているように思います。
皆さんは、今日から春日井市立石尾台中学校の生徒です。この学校の3年生、2年生の先輩、そして、先生方も、皆さんの入学を楽しみに待っていました。皆さんは、3週間ほど前まで、6年生として、そして、それぞれの小学校のリーダーとしても頼もしく活躍していました。そのことを土台として、これからの毎日を、石尾台中学校の仲間として共に学んでいきましょう。
さて、ここで皆さんに聞きたいことがあります。先ほど、「桜の花」の話をしましたが、桜の木には、いつ頃「花のつぼみ」ができているか知っていますか。実は、葉が生い茂る夏には、すでに花のつぼみができているのです。しかし、桜の木には、花が咲くのを遅くさせる成分があり、その成分によって花が咲くのを抑えられています。その成分は、寒い時期を迎えると少しずつ減っていきます。寒い冬がなかった地域では、つぼみのままで、花が咲かないところもあるようです。寒くつらい冬を経験することで、美しい花を咲かせるのです。これから始まる中学校生活では、新しい友との出会いや文化祭など楽しい行事もたくさんありますが、勉強や部活動などで歯を食いしばって耐えなくてはいけない時もあるかもしれません。そんな時こそ、途中で手を抜いたり適当に済ませたりするのではなく、つらく厳しい寒さに耐えて、美しい花を咲かせてください。
桜の木について、もう一つお話をします。桜の木は、枝を四方八方に広げていますが、その枝を下から見上げると、同じ方向に伸びている枝は一本もありません。葉を広げたときに日光に当たりやすくなり、その日光によって養分を生み出して、木が大きく成長するのです。「枝」という漢字は、「木を支える」と書きます。木が生長するには、枝はなくてはならないものなのです。人も木と同じです。大きくなるにつれて木が枝を四方に伸ばすように、人も成長するとともに、いろいろな人と関わりを持つようになります。年を重ねるごとに枝は複雑に伸び、友人に助けられることも、また友人関係で悩むこともあると思います。みなさんも、多くの人と関わり、その人たちに支えられて大きく成長するのです。これからの中学校生活では、学級や部活の友達、担任の先生、教科担当・学年主任の先生、保健室の先生、部活動顧問の先生、そして地域の人々など、多くの人と出会います。是非とも、いろいろな人たちと関わり合いながら、たくさんの枝を伸ばし、みなさんの成長のための栄養(糧)にしてください。
この石尾台中学校の先生方は、どの先生も素晴らしい先生ばかりです。優しく、親切に、そして時には厳しく、そんな皆さんを全力で応援してくださるはずです。困ったり、悩んだりしたら、どんな小さなことでも、何でも相談をしてください。
さて、保護者の皆様、 本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。我々、教職員一同、心よりお祝い申し上げます。今、生徒たちは、中学校生活への確かな一歩を踏み出しました。中学校入学は、大きな環境の変化であるとともに、新たな成長のチャンスでもあります。ご家庭の皆様がお子様のよき理解者、相談相手として、家庭教育のいっそうの充実を期されますようにお願いします。また、中学校は、子供から大人へと成長していく過程であり、もっとも多感で重要な時期です。時には悩み、時にはつまずき、立ち止まってしまうこともあるかもしれません。しかし、そんな時こそ、我々、大人が子供をしっかりと支え、支援していかねばなりません。
生徒の健やかな成長には、学校と家庭、さらには、地域社会との連携・協力が、不可欠です。我々、教職員は、全力をあげて、生徒への指導に臨んでいく決意です。保護者の皆様方には、本校の教育活動への更なるご理解とご協力をぜひともお願いします。
最後になりますが、新1年生の皆さん、今日から、この石尾台中学校の生徒であるという自覚と責任感を持ち、思う存分、勉強に運動にがんばってください。そして、先輩たちや先生方といっしょに、石尾台中学校の新しい歴史を作っていきましょう。
以上を持ちまして、式辞といたします。
平成23年4月7日(木) 春日井市立石尾台中学校長 渡 辺 徹