入学式 学校長式辞
- 公開日
- 2009/04/07
- 更新日
- 2009/04/07
学校行事
平成21年度 入学式 式辞
おはようございます。106名の新1年生の皆さん、石尾台中学校への入学、本当におめでとうございます。今年の桜は、開花が早くなるのでは、という予想でしたが、皆さんの入学にタイミングを合わせるかのように、今が盛りと咲き誇っています。また、この会場をこうして見渡してみると、その桜の花にも負けないくらいの、はつらつとした、さわやかな顔が満ち溢れているように思います。皆さんにとって、今日は、これからの中学校生活の原点となります。皆さんの今の気持ちは、どのような感じでしょうか?皆さんは、もうすでに昨年度、新入生説明会の時に、本校の教室や勉強風景、部活動などを見学してもらっていますので、大きな不安はあまり無いのではないかと思っています。それよりも、早く入学して、これをやってみたい、あれをしてみたいという期待感の方が強いのではないでしょうか?「初心 忘れるべからず!」どうか、今、この時の気持ちを忘れずに、力いっぱい勉強にそして部活動に励んでください。
さて、ここで、ひとつクイズを出します。「ありとキリギリス」や「北風と太陽」などの作品が収められている、紀元前のギリシャの有名な寓話集と言えば何寓話集でしょう? (本の好きな人はすぐに分かると思います。)答えは、イソップ寓話集ですね。この寓話集の中に、「キツネとブドウ」というお話があります。お腹をすかせたキツネが、高い枝になったブドウの実を見つけて飛びつきます。しかし、枝は、思った以上に高く、何回ジャンプしても届きません。あきらめたキツネは、「あのブドウは、十分に熟していない、酸っぱいにちがいない」と言って立ち去ってしまいます。これは、私たちの周りにもよく起こりうる出来事です。ちょっとした乗り越えがたい困難にぶつかってしまったとき、自分に都合のいい言い訳をして、自分自身を欺いてしまう。こんな時にこそ、その人の人柄が出るものなのです。壁は、外にあるものではなく、自分自身の心の中にあるものなのです。どうか、みなさんは、こんなイソップのキツネになりさがらないでいただきたい。困難に出くわしたとき、言い訳をするよりも、更にもう一歩の努力や工夫をするみなさんであってほしいと思います。
さらに、「赤毛のアン」という作品で有名なカナダの作家、モンゴメリーは、代表作の「アンの愛情」という作品の中で、主人公のアンに、次のように語らせています。「小さな障害は、笑いの種だと思い、大きな障害は、勝利の前兆だと考えられるようになった」と…。大きな喜びや幸福を手にするためには、大なり小なりの障害を乗り越えなければなりません。困ったときこそ、自分をさらに大きく成長させてくれる絶好のチャンスだととらえることが大切なのです。ここにいる106名の皆さんは、一人のこらず、「ピンチをチャンスにかえられる」心の強い人に育っていってほしいと願っています。
ところで、今年の1年生は、少人数学級(35人学級)が実現し、4学級で、1クラスあたり26〜27名という大変こじんまりとした学級編成となりました。少し寂しい感じもしますが、その分、よりきめ細かな指導が受けられるようになったと思います。この石尾台中学校の先生方は、どの先生も素晴らしい先生ばかりであります。時には優しく、親切に、そして時には厳しく、皆さんを全力で応援してくださるはずです。困ったり、悩んだりしたら、どんな小さなことでも、何でも相談をしてみてください。そして、先生達と一緒に、石尾台中学校の新しい歴史を作っていきたいと思います。
さて、保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。我々、教職員一同、心よりお祝い申し上げます。今、生徒たちは、希望に胸弾ませて、確かな一歩を踏み出したところです。中学校は、子供から大人へと成長し行く過程で、もっとも多感で重要な時期であります。時には、悩み、つまずき、一歩後退してしまうこともあるかもしれません。しかし、そんな時こそ、我々、大人が子供をしっかりと支え、援助していかねばなりません。生徒の健やかな成長には、学校と家庭、さらには、地域社会との連携・協力が、不可欠であります。我々、教職員は、全力をあげて、生徒への指導にまい進していく決意です。保護者の皆様方には、本校の教育活動への更なるご理解とご協力をぜひともお願いします。
最後になりますが、新1年生の皆さん、今日から、この石尾台中学校の生徒であるという自覚と責任感を持ち、思う存分、勉強に運動にがんばってください。
以上を持ちまして、式辞といたします。
平成21年4月7日(火)
春日井市立石尾台中学校長 梅 本 幸 平