<校長室の窓> 子どもが持つ力を引き出すには
- 公開日
- 2020/02/18
- 更新日
- 2020/02/18
南城中学校
保護者の皆様へ
教師向の教育雑誌の中に、素晴らしい文章を見つけました。
私は深い感銘を受けました。
この文章は、「教師向」の文章ではありますが、
「親」の視点から読んでいただいても、
「子育て」の参考になる文章だと思いますので、
ご紹介いたします。
(以下引用)
子どもは、無限の可能性を持ち、家族・地域・日本や世界を
元気づけてくれる大きな力を持った存在です。
中学生でJリーガーとなった久保健英選手や、
同じく中学生でプロ棋士となった藤井聡太さんの活躍は、
めざましいものがあります。
この二人の話題に、同世代やさらに小さい子どもの中には、
「自分だって!」と目を輝かせたり、
声を出さずとも、密かに闘志を抱いたりする子もいるでしょう。
このように、「自分だって!」と、
夢や目標を見つけた子どもは輝いて見え、
その姿に「頼もしさ」を感じます。
でも、夢や目標は、簡単に見つけられるものではありません。
興味を持てるものが見つからない子、
厳しい現実に目標を見失っている子、
挑戦に敗れ、自信を失い、再チャレンジの一歩が踏み出せない子など、
まだ、「輝き」を放てていない子もたくさんいるでしょう。
少子化で、子どもへの「期待」が過剰な社会では、
目標を見つけて輝いて見える前者の子に対し、
良い印象を持つ傾向があります。
しかし、まだ「輝き」を放てていない後者の子にも、
興味をそそられませんか。
いつ輝くだろう、
どんな光り方をするのだろうと。
ある新聞に、
「超低出生体重児として生まれ、激しい運動を禁じられてきた
小学2年生の女の子が、フェンシングの公式戦に出場し、
同年代と対等に戦う姿は、とてもたくましかった」
という記事がありました。
小さく生まれた彼女は、自分で呼吸をすることが難しく、気管を切開し、
カニューレという管を、小学2年生になるまで挿入していたそうです。
そんな彼女の記事からは、
子どもには無限の可能性と大きな力があることを教えられます。
大人の勝手な価値観や経験で、限界を決めてしまうことは、
子どもの持つ「輝くチャンス」を埋もれさせてしまうことになり、
とても残念です。
しかし、「子どもの持つ力」を見つけることは、
簡単なことではないかもしれません。
というのは、多くの場合、
大人は自分の経験から、社会で好評価を受けやすい理想の姿を描き、
そこに導くために、その理想と子どもを比較し、
「これができない」
「あれができない」
とできないことを探し、それができるようになることを願うからです。
例えば、目標に向かい自ら努力を惜しまない姿を願う場合、
目標が見つけられない子や自信を失い再チャレンジできない子を
“消極的な子”と判断し、
早く目標を見つけ行動を起こすことを望むかもしれません。
でも、その子には、
「目標を見定める力」や
「自分の力を客観視できる力」や
「自分の弱さに対峙する力」が
あるのではないでしょうか。
そんな力を、大人が見つけることができた時、
「本当に目指したい目標を吟味している途中」とか
「立ち上がるために力を充電し、時を待っている状態」
だという見方に変わります。
できないことや、今見えていないことだけをキャッチするのではなく、
その子のことを「丸ごと受けとめる」ことで、
持っている力を見つけることができると、
子どもを見る目は変わります。
学校は、家庭とは全く違う環境であるため、
家族では見つけられないその子の「持つ力」が
「見つかる場」であると思います。
家庭だけ、学校だけでなく、ともに協働し、
子どもの持つ力を見つけ伸ばす教育をしていきたいですね。
(引用終わり)
全職員とともに、しっかりと心に刻みたいと思っています。
保護者の皆様も、参考にしていただければ幸いです。
釈迦に説法をお許しください。