学校日記

お正月の「正」の字の意味について

公開日
2020/01/03
更新日
2020/01/03

南城中学校

南中生の皆さんへ

年頭にあたり、昨年に引き続き、
相田みつを氏の言葉を紹介します。

正月の「正」という字ね、
字引(じびき)で引くとすると「何ヘン」で引くと思いますか?
やさしい字だから、改まって引いたことがないかな?
昔の漢和辞典ではね、「止」というヘンで引くんですよ。
「正」というのはね、「一に止まる」ということです。
「一を守る」それが正。

それでは一とは何でしょう?
一とは原点、一とは自分、一とはこの「わたし」です。
自分が人間としての原点に止まる、それが正。
自分が人間としての原点を守る、それが正。
自分が自分の原点に立ちかえる、それが正です。

そして、自分が自分の原点に立ちかえる月、それが正月です。
つまり、自分が自分になる月、それが正月。
自分が自分になるということは、人間としての、本来の自分になること。

それでは本来の自分とは何か?
「損得」「勝ち負け」「お金の有る無し」等と
比べることをやめた自分、
それが本来の自分です。

子どものことで言うならば、
柿の落ち葉を見て、「わァ、キレイ!」と感動し、
その落葉を大事に拾ってきた子どもの心、
それが子ども本来の心です。

感動することに、お金は一銭もかかりません。
「感動」に損得はありません。

損得を離れた人間本来の自分に立ちかえる月、それが正月です。
ふだんの私達の現実生活は、
いつも「損得」「勝ち負け」という「比べっこ」に
ふりまわされているから、
一年に一ぺん、
そういう世間的な「比べっこ」をやめて、
本来の自分にかえろう!というのが正月です。

正月になると、
寺によっては、「修正会(しゅしょうえ)」という行事をします。
「修正する会」と書きます。
何を修正するのでしょう?
昨年やってきたことのあやまちや失敗を反省し、
同じことをくり返さないように、
自分の原点に立ちかえって、
自分の生き方の軌道修正をするんですね。

そして、自分のことばかりではなくて、
世の中の平安や世界の人々の幸せを祈願するわけです。

つまり、正月とは、
「損得」で歪(ゆが)められた自分の軌道修正をする月ともいえます。

出典 『一生感動 一生青春 』文化出版局


© 相田みつを美術館
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相田みつを美術館から許可をいただいています。

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(写真出典 Yahoo!画像)