学校日記

第33回卒業証書授与式その2

公開日
2011/03/11
更新日
2011/03/11

授業

卒業証書授与も練習時間も短かったですが、とても静粛に堂々とできました。
校長式辞
 式 辞
 春とはいえ、まだ冷たい空気の中で、凛として咲くパンジーの鮮やかさが心にぬくもりを感じさせます。
 本日ここに、春日井市立高森台中学校第三十三回卒業証書授与式を挙行するにあたり、
春日井市長様をはじめ、多数のご来賓のご臨席を賜り、高い席からではありますが、厚く御礼申し上げます。
 また、卒業生の保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。立派に成長されたお子様を目の前にされて、感慨もひとしおかとご推察申し上げます。そして、三年間本校に賜りました多くのご支援とご協力に、職員を代表して、厚く御礼申し上げます。
 今、卒業証書を授与された一二九名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんにお渡しした卒業証書は、中学校の学習だけでなく、小学校からの九年間の義務教育を終えた証です。この先、皆さんは、社会の形成者として、さらなる自覚を持つことが必要になります。
 初めてみなさんとお会いした二年前。出かけた野外学習。準備の段階から実行委員会を中心とした活動を学年の全員で練習をしていましたね。その成果は本番の夜の実行委員会の反省会で見られました。困っていることを真剣に出し合うなかで、どうしたら良いのかを考えていましたね。それこそが実行委員のリーダーシップと学級や班、学年のフォロアーシップが創り上げられて行く姿でした。そして、迎えた三年生の修学旅行。二日目午後、小雨が降りだした都庁前広場。都内班別学習の最終集合場所へ順調に帰ってくる班とは反対に、道に迷ったり、電車に乗り間違えたりなどの連絡が携帯電話に入って来ました。午後3時の集合時刻が迫る中で、何とかしようと考える皆さんの気持ちが嬉しかったし、とても安心もしました。見知らぬ大都会でのピンチを解決しようとする姿がそこに感じられたからです。皆さんの成長を垣間見る瞬間でした。
これらは、皆さんが自分たちの集団をより良い方向へ導き、自分たちで生活を作り上げて行く力が高いということを物語っているのではないでしょうか。
世界中で貧困にあえぐ子供たちへ、ハイチ地震の被災者へ、宮崎県の口蹄疫問題の被害者へ、いち早く援助のための募金活動を開始した皆さんの手による生徒会活動。募金とともに皆さんの心の温もりを届けることができたと思います。そして、三年生の有志によるゴーヤ栽培の緑のカーテンづくりと環境問題への取り組み。これは昨年名古屋で開催された生物多様性条約第十回締結国会議COP10への参加にもつながり、高い評価を受けました。また、本当に暑かったけど、競技に応援に盛り上がった体育大会。感動と涙があふれた思い出深い文化祭。苦労して練習し、合唱コンクールの本番前に組んだ円陣の団結力から生まれた熱唱。そして、なんと言っても三年間積み上げてきた練習の成果をいかんなく発揮した部活動での活躍。
この一年間の高森台中学校は、いつも3年生の皆さんが中心にいてくれました。まさに本校の自治を皆さんが担っていたと言えると思います。本当にありがとうございました。
2年生の皆さん。先輩たちが残してくれた良き伝統を引き継ぐ覚悟はできているでしょうか。先輩のたちの取組をまねるのではなく、先輩たちの取組の奥底にある心を感じとってほしいと思います。
ところで、この高蔵寺ニュータウンは、少子高齢化が進行しています。今日、地域の皆様たちが、住み良い街づくりに向けた取り組みを積極的にすすめてみえます。さらに視野を広げれば、市や県そして、国の政治でもより良き暮らしを求めて様々な努力が展開されています。
 卒業生の皆さんの自治能力と心の温もりを、社会の中で発揮する時がすぐにやって来ることでしょう。皆さんの心と体と知恵を、つまり本校の校訓である「創造・親愛・頑健」をこれからの皆さんの人生の中で磨き、社会に貢献できる人になっていただけることを期待します。
しかし、これから皆さんが歩まれる人生は、平坦な道ばかりではありません。それでも、人は歩き続けなければなりません。
ミッキーマウスのキャラクターや映画などで私たちに夢を与えてくれるあのウォルト・ディズニーは、多くの逆境に出会ってきた自分の人生を振り返って、こんな言葉で表現しています。『人生の中で出会った全ての逆境と問題と障害は、私を強くしてくれた。それが起こったときには気付かないかもしれないが、逆境はあなたにとってこの世で一番良いものかもしれない。』
 彼は、自分の会社を倒産させてしまったり、自ら作り出したキャラクターや映画の権利を人にとられたりしてしまいました。彼はそんな経験さえ「いちばん良いもの」と表現しています。そんな彼の強さの中には、まさに自分を信じる力があったのでしょうね。
自分が困難にぶつかった時に、「自分を信じる」とはどういうことなのでしょう。それは自分が良いと思うことを最後までやり通すことではないでしょうか。また一方では「何とかなる」という希望や楽観的な考えを持つことではないのでしょうか。そして、最後は「どうにかなる」と思える力であるのかもしれません。でも決して「誰かが何とかしてくれる」などという他力本願の考え方ではありません。自分の足で立ち、前に向かって歩くことに他なりません。
 皆さんはこの三年間楽しかったこと以上に、苦しいこともたくさん乗り越えてきました。そこには、肩寄せ合う仲間がいました。そして、これまで育てて頂いた保護者の皆様。いつも見守っていただいた地域の皆様を始め、たくさんの方が皆さんを支えてくだったおかげです。そのことに感謝をしながら、本校の卒業生であることに誇りをもって前進していってください。
 話は尽きませんが、そろそろお別れの時が来たようです。
 皆さんが一年間かかげた生徒会のスローガンである『刹那。』
                     一瞬一瞬を大切に。
 この言葉をこれからも忘れずに生きて行ってください。
 皆さんの輝く未来をお祈りして式辞といたします。


            平成23年3月8日 
              春日井市立高森台中学校長
                    毛 利  公