学校日記

第45回卒業証書授与式7 学校長式辞

公開日
2023/03/07
更新日
2023/03/07

行事

『令和四年度卒業証書授与式       学校長式辞
 例年になく厳しい寒さが続いた一月末でしたが、その寒さは緩まり、暖かさを感じる日も増え、陽ざしも明らかに春を感じさせるものになってきました。さらに、三年間続いたコロナ禍の出口も見えてきました。このように先の明るさを感じさせるこの佳き日に令和四年度第四十五回卒業証書授与式を挙行することができました。本日は、ご多用の中、保護者の皆様には、ご臨席賜りまして誠にありがとうございます。また、今日までのこれまでと全く違った状況になったこの三年間のご支援、ご協力に、高いところからではありますが、厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
 さて、卒業証書を手にした百十五名の第四十五回卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。この三年間、予測不可能なことの連続で本当に厳しい毎日でした。入学式の頃は、皆さんが先輩になる頃には、これまでと同じような生活になるだろうと思っていました。途中何度も今度こそは、と期待をしましたが、ついにゴールの日まで来てしまいました。結果的に、この三年間はみなさんが思い描いていたものとは全く違ったものになり、過去の例が当てはまらず、先のことが予測できないピンチの連続になってしまいました。しかし、これまでであれば当たり前すぎて、よく考えずに行動していたことやその大切さをよく感じていなかったことを再認識する場面がいくつかあったと思います。さらに、このような状況だからこそ、新しいことにチャレンジできたことも、とても大きなことだと思います。また、いつもみなさんに言っていた「新凡事徹底」のとおり、厳しい状況で必要とされることも当たり前のように取り組みながら進路選択に向けて前進して、今日の日を迎えることができました。このことは、やはり大いに自慢をしていいことです。ただし、これは見守り育ててくださった家族を含めて、多くのみなさんの「おかげ」でもあります。今日しか伝えることができない「ありがとう」の気持ちをきちんと伝えてください。
 新しいチャレンジというと、特に、クロームブックとクラウドをフル活用した学びが日常的にできるようになったことはとても素晴らしいことです。全国から多くの先生たちが皆さんの学びの姿を見に来て頂き、その姿に驚いてみえました。さらに、その過程で身に付けた問題解決のスキルを使って、きまりの見直しのルールメイキングをやり遂げたことは、画期的なことです。ルールは与えられるものではなく、自分たちで創っていくもので、どんどん見直せばいいということがわかったことは、とても重要なことです。
 さて、学校新聞に書き、三年生のみなさんにはお話をしましたが、先が予測できない不確実な状況に加え、我が国の人口がどんどん減少し、困難な状況になっていくことが確実になっています。その中で、意識・行動面も含めた仕事に必要な能力は、これまでに比べて、かなり変わってくると予測されています。従来は、「注意深さ・ミスがないこと」「責任感・まじめさ」などが重視されてきました。みなさんにも考えてもらいましたが、将来は「問題発見力」「的確な予測」「情報収集」が一層求められ、自ら問題解決をしていかなければなりません。これは、端末とクラウドを活用した学びで求められていることと同じです。この三年間の学びは、このような未来につながっていたのです。
 そんな皆さんにこの言葉を送ります。「解決策がわからないのではない。問題がわかっていないのだ。」これは、二十世紀の初めのイギリスの作家のギルバート・ケイス・チェスタトンのことばです。問題を解決しようと、情報を集めて分析をして何とかしようとしますが、問題の本質を分かっていないと全く意味がありません。実は、問題をきちんと把握することは一番難しいですが、このことを常に大切にすることを忘れないでください。
 最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。コロナ禍の三年間で、直接学校での様子をご覧いただくことがほとんどできずに、申し訳ありませんでした。そのような中であっても、思い出の中の九年前の真新しいランドセル姿と本日の立派に成長された姿と比べて、さぞお喜びのことと思います。本日まで本校にお寄せいただきました温かいご支援・ご協力に対しまして、職員一同、心から感謝と御礼を申し上げます。
 さあ、第四十五回生の皆さん、コロナ禍の出口が見えてきた中で、新しい生活が始まります。この三年間の貴重な経験を忘れずに、さらにスキルアップです。自分の成長はなかなかわからないものです。他の人と比べるのではなく、ちょっと前の自分と比べて成長を確認してください。また、「人の長所が目につく人は幸せ」と言われます。そんな「こころ」を大切にしてください。さらに大切なのは「いのち」、健康な心とからだ。スモールステップでも前進を続けていくみなさんの姿を期待し、式辞といたします。本日は、おめでとうございます。』