学校日記

第60回卒業証書授与式 その9

公開日
2008/03/09
更新日
2008/03/09

学校行事・生活

「在校生総代 送別の辞」 
 冬の寒さも日一日と和らいできた、今日この頃。木々の芽は膨らみはじめ、辺り一面春の光に包まれつつあります。
 この良き日に卒業される先輩方、おめでとうございます。先輩方の卒業される日が、こんなに早くおとずれるとは思いもせず、寂しさで胸がいっぱいです。
 二年前、不安と期待でどきどきしていた私たちに「大丈夫だよ」と、声をかけてくださったこと、毎日交わす明るいあいさつ。先輩方との思い出は、いくつもいくつもあります。それ以上に、今、皆さんの心の中には、三年間の素晴らしい思い出が、走馬灯のように次々と巡っているのではないでしょうか。
 学校行事や生徒会活動、そして、部活動。先輩方は、様々な場で、私たちに「団結」という輝きを見せてくれました。
 去年の卒業式で披露されたアルミ缶アート。あの火の鳥は先輩方と一緒に作りましたね。一、二年の各クラスがB紙一枚分ずつを担当し、それらを貼り合わせて完成させるという新しいアイデアに「東中生みんなで力を合わせて卒業式を創り上げよう、盛り上げよう」という先輩方の思いが伝わってきました。あの火の鳥の大きく輝く姿は、まさに「団結」という輝きでした。今年、私たちはその思いを引き継いで、昇り龍のアルミ缶アート「飛躍」を一、二年生みんなで創り上げました。先輩方に私たちの思いが伝わるとうれしいです。
 体育大会では、毎年行われる大縄とびで、私たちの予想をはるかに上回る回数を跳び、高跳びやリレーでも、今までの記録を多くぬりかえられました。これは、私たちの新たな目標となりました。
 そして、感動を与えてくれた文化祭。合唱では、練習のときからクラスが団結し、朝からたくさんの歌声が聞こえてきました。当日は、審査員も順位が付け難いほど、どのクラスも素晴らしいハーモニーと歌唱力で、歌に込められた想いが伝わってきました。先日行われた卒業生を送る会で皆さんが歌ってくださった「大地讃頌」はまだ記憶に新しいものです。学年が一つになった美しい歌声は私たちの心まで響き渡りました。
 学校生活のどの場面を振り返っても、先輩方は私たちのお手本でした。
 そして、一つ一つのことに対して、一生懸命に取り組む、先輩お一人お一人の頼もしい後ろ姿に、憧れを感じました。
 これは、私事ではありますが、先輩の皆様との一番の思い出は、サッカー部での活動です。女子部員にも関わらず、他の男子部員と同様に、優しく、また、厳しく接してくださったことです。おかげで、迷いもなく、共に汗を流し、歓びや悔しさなどを何度となく分かち合うことが出来ました。記憶に強く残っているのは夏の大会です。日々練習を重ねてきたことを最後の大会に注ぎ、チームプレーの流れからできたシュートを先輩方は何本も打ちました。なかなか得点にならなかったにもかかわらず、あきらめずに何度も何度も打ち続けることで勝利を手にしました。このときに、私たちが継いでいくものは、この「あきらめない気持ち」だと思いました。そうした先輩方の姿から、他人を労り、思いやることの素晴らしさを学びました。本当に、感謝しています。
 さて、最近、私が感銘を受けた方に「高畠導宏」という方がいます。ご存じの通り、プロ野球のコーチとして三十年間勤められ、あの落合監督やイチロー選手を教えた方です。また、高校の教師としても、その情熱的かつ、諦めない指導は、多くの人々の心を掴みました。今年、テレビドラマ「フルスイング」として取り上げられたことは、記憶に新しい事と思います。
 高畠さんは、教壇に立ち、「諦めない気持ちこそ“気力”。気力は、人を思うことで強くなる。思われることで、もっと強くなる。」ということを実践し、多くの生徒や同僚に、生きる力の種をまき、成功に導きました。
 私たち在校生一同は、先輩方が、私たちの先駆者として、東部中学校の校訓である「最善を尽くせ」を忘れずに、どんな時も胸を張り、諦めることなく、強い気力を持って、目標に向かって歩み続けてくださることに、心よりエールを送ります。先輩方は私たちに、学校行事や部活動などを通して、仲間を思い、協力し合うことを教えてくださいました。先輩方が築き、積み上げてくださった東部中学校の良き伝統を受け継ぎ、さらに発展させてまいります。
 最後に、皆様のご健康と、これからのご活躍をお祈りして、はなむけの言葉といたします。