学校日記

第101回卒業証書授与式

公開日
2010/03/19
更新日
2010/03/19

お知らせ

3月19日(金)第101回卒業証書授与式を挙行しました。

学校長式辞
式 辞     
桜のつぼみが、随分膨らんできました。吹く風も心地よく、爽やかに感じられ、春間近かを思わせる今日この頃でございます。
 本日は、春日井市副市長本間奈々様、春日井市議会議員で前市議会議長友松孝雄様、本校PTA会長佐藤千秋様を始め、多くの来賓のご臨席を賜り、平成二十一年度、鳥居松小学校卒業証書授与式を盛大に挙行できますことに対しまして、厚く感謝申し上げます。

 卒業生の皆さん、卒業おめでとう。
 ただ今、57名の皆さん一人一人に、心を込めて卒業証書を渡しました。5年前に私がこの鳥居松小学校に赴任したときには君たちは可愛らしい2年生でした。あれから5年、君たちは素敵な少年・少女に育ち、立派にこの鳥小の機関車として活躍してくれました。君たちの精神は、後に続く後輩たちにきっと受け継がれていくと確信しています。
 職員一同、これまでの皆さんの努力に拍手を送ります。そして、これからの中学校での活躍を大いに期待します。

卒業生の保護者の皆様、お子さまのご卒業おめでとうございます。
 今こうして立派に成長され、小学校を巣立とうとしているお子さまを目の前にして、感慨ひとしおのことと思います。
 保護者の皆様の今日までのお力添えに対し、お礼の気持ちを込めまして、心よりお喜びを申し上げます。  

 大変ご多用な中、参列いただきましたご来賓の皆様、これまで皆様にはいつも温かい眼差しで子どもたちを見守っていただきました。ご覧いただきますように子どもたちは健やかに成長し、晴れて今日の日を迎えることができました。
 皆様方のこれまでのご支援・ご協力に対しまして、厚くお礼申し上げます。

 さて、皆さんが小学校を卒業するに当たって、私から二つのお話をしたいと思います。
 最初は、平成20年北京オリンピックの男子平泳ぎで大活躍した北島浩介選手の話です。
 「気持ちいい、チョー気持ちいい」が流行語にもなったアテネオリンピックから4年、二連覇を懸けて臨んだ大会でした。100mで宿敵ハンセンを降して金メダルを獲得、残すところは得意な200mで、二大会連続の二冠は確実だと言われていました。周りからのプレッシャーは想像以上で、あとは自分の気持ちとの戦いでした。
 ここでコーチの平井さんは考えに考えて、決勝の直前に北島選手に二つの泳ぎをさせました。最初は大きくゆったりと25m、次に速いテンポで25mを泳がせました。大きくゆっくり泳いでも彼の力があれば、タイムにはほとんど差のないことを確認させたのです。気持ちが高ぶっているときこそ、心を落ち着かせて平常心で臨ませ、「技術と心のバランス」の大切さを知らせたかったのです。
 そして、決勝では見事に優勝し、二冠に輝きました。
 人間の持っている全体の力を10とすると、技術が5で心が5のとき、即ち「技術と心のバランス」が5対5のとき、5×5で25ポイントの成果が得られます。しかし、技術ばかりを優先させて心が伴わないとき、例えば技術が7で心が3の時に、得られる成果は7×3で21ポイントとなってしまいます。直前の平井コーチの機転を利かせた教えが北島選手の心を落ち着かせ、実力に見合った成績を残すことができたと思うのです。もちろん、北島選手のそれまでの血のにじむような練習が、最大の勝因であることには全く異論はありません。
 しかし二つの金メダルを獲得できたのは、もしかして北島選手と平井コーチとの信頼関係そのものが、5対5だったからではないか、そんなことをふと思ったのでした。

 二つめのお話です。
  私たちの周りには、本当に素敵な人で、私たちにとってとても大切な人がたくさんいます。
 失敗してくじけそうなとき、いつも相談に乗ってくれて、「大丈夫だよ」って励ましてくれた友達、毎朝のように通学路の交差点に立って、笑顔で声をかけてくれた地域のおじさんやおばさん、授業で分からないとき、授業後に残って、時間も惜しまず、分かるまで教えてくれた先生、友達と些細なことでけんかしたとき、顔を一目見ただけで理解し、そっと肩を抱いて、好物のオムライスを作ってくれた優しいお母さん、私がまだ小さかった頃、忙しいサンタさんに変わって、Xマスプレゼントを届けてくれた大好きなだれかさん。
 まだまだいます。病気で学校を休んだとき、毎日毎日、ノートを家まで届けてくれたクラスメイト、野外学習で重い荷物が運べないで泣き出しそうになっていたとき、すかさず手を貸してくれた男の子、いつも廊下に落ちているゴミを、さり気なく拾ってくれていた女の子、毎朝教室に入るとき、満面の笑顔で「おはよう」と言って教室全体をパッと明るくしてくれた君、本を貸してあげるといつもきれいなカバーを付けて「ありがとう」と言って返してくれたあなた、少しばかり内気な僕に、放課ごとに運動場まで引っ張っていって、一緒にドッジボールやサッカーに誘ってくれた友達。間違ったことをしようとしたとき、厳しく叱って止めてくれた友人も、その時はとても嫌な奴だと思ったけど、今になって思えば、自分にとってとても大切な人でした。
 きっと、あなたの周りにも素敵な人がいますよね。
  皆さんに、先生が校長室の机の上に置いて、毎日眺めて、いつも心に留めるようにしている、相田みつおの「ただいるだけで」という詩を贈ります。とても短い詩ですので、皆さんもぜひ心にとめてください。

ただいるだけで

あなたがそこに ただいるだけで
その場の空気が明るくなる
あなたがそこに ただいるだけで
みんなの心が安らぐ
そんなあなたに わたしもなりたい」

 皆さんとお別れするときが近づいてきました。皆さんの周りのあらゆる人が、心から皆さんの幸せを願っています。そうした方々への感謝の気持ちを忘れず、大きく羽ばたいてください。
愛すべき君たちの未来に幸多かれと祈り、明日からの皆さんの活躍を大いに期待して、励ましの言葉とします。