<校長室の窓> 獣医師 齋藤慶輔氏から学ぶ
- 公開日
- 2018/01/31
- 更新日
- 2018/01/31
勝川小学校
勝川小学校 高学年の皆さんへ
獣医師(じゅういし)とは、猫(ねこ)や犬などの動物の
治療をするお医者さんです。
今日、皆さんに紹介する齋藤慶輔(さいとうけいすけ)さんは、
全国でも数少ない、野生動物を専門に診(み)る獣医師です。
中でも、オオワシやシマフクロウなどの
猛禽類(もうきんるい)の専門家です。
彼が大切にしている言葉を紹介しますね。
決まった道はない。
ただ行き先があるのみだ。
齋藤さんが、オオワシが繁殖している
ロシアの広大な湿地帯(しっちたい)に向かった時のことです。
道なき道を車で走り、途中、原野(げんや)の真っただ中で、
車輪が泥(どろ)に埋もれ、何度も立ち往生(おうじょう)しました。
齋藤さんが、雇(やと)っていたロシア人ドライバーに、
「ロシアは大変だね。予定通りに行かないね。」
と言った時、ロシア人ドライバーが片言(かたこと)の英語で、
上の言葉を言ったそうです。
その言葉は、当時の斎藤さんの心に突き刺(さ)さったそうです。
齋藤さんは、こう述べています。
何かドキっとしたんですよね。
それまで、僕は正しい道があるものと思い、その道を探していた。
でも、決まった道なんてないんだって言われたわけですよ。
目的を見失ったり、行き先を見失えば、それで終わりです。
でも、それさえ見失わなければ、
道は拓(ひら)けるってことなんです。
あるいは道をつくれるってことなんです。
日本に帰って、齋藤さんは、もう一度考えました。
オオワシを救うために、自分のできることは何か。
そうして取り組み始めたのが、小学校などでの講演会だったそうです。
ハンターに訴えるだけでなく、日本中の子どもたちに、
今、ワシたちの身に起こっていることを懸命に語ったのです。
その成果が少しずつ表れてきているそうです。
そもそも道なんてないんだってところに立ち返る。
そうすれば、リラックスした気持ちで、
もっと広く視野を持って、目的に向かっていけるのですね。
(写真出典 Yahoo!画像)